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book
#111

テルミン エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男

著者
竹内正実

出版者
岳陽舎

出版年
2000年

 

表紙画像は紀伊国屋書店BookWebのものを使用しています。

古賀祐馬

古賀祐馬
美術館・図書館

何をどうすれば、そんな発想が出てくるの??

世界初の電子楽器。
開発者はレフ・セルゲーエヴィチ・テルミン博士。
聞いたことはあるが弾いたことはない楽器の代名詞とも言える、謎の楽器。
テルミン博士自身も数奇な人生を歩んだ、謎の人物。
そんなテルミンとテルミン博士の記録、それが本書。

まるで映画のようなテルミン博士の人生に、ページが進む。

book
#110

飼い喰い 3匹の豚とわたし

著者
内澤旬子

出版者
岩波書店

出版年
2012年

 

表紙画像は紀伊国屋書店BookWebのものを使用しています。

前田奈津子

前田奈津子
美術館・図書館

飼えばかわいく愛らしく、食べればおいしい

『飼い喰い』タイトルが潔い。
牛や豚が肉になるまでを取材し続けてきた著者は、彼らの「生前」のことを知りたくなり、豚を飼い育てることを思いつく。
女ひとりで某養豚の産地に廃屋当然の家を借り、軒下で3匹の子豚を育て、屠畜場に出荷し肉にして食べる(!)までを文章と細密なイラストで記録したルポルタージュ。
今の養豚・屠畜事情にも触れられている。
文章や写真では伝えづらい部分をうまく補足しているイラストが絶妙。

book
#109

プロジェクト・ジャパン メタボリズムは語る・・・

著者
レミ・コールハース、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト

出版者
平凡社

出版年
2012年

 

表紙画像は紀伊国屋書店BookWebのものを使用しています。

鈴木紀慶

鈴木紀慶
空間演出デザイン学科

外国人建築家の視点で、日本の戦後の建築史を知る貴重な本

レム・コールハースは、日本で起こった運動「メタボリズム」を知るために、まずはその運動と距離をおいていた磯崎新から話を聞き出す。川添登、槇文彦、そして今はなき菊竹清訓、黒川紀章といったメタボリズムの建築家にインタビューをする貴重な歴史資料。ここ数年日本の建築に興味をもった海外の学生がインターンで日本に来るケースが増えていると聞く。それはこの本(英語版)が少なからず影響を与えているのではないだろうか。
ただ、レムの前著『S,M,L,XL』のADを担当したブルース・マウを意識してなのか、イルマ・ブームの本のデザインも過激で、ショッキングピンクを多用した紙面は文字が読みづらく、目が疲れるのが難点。