制作者
ジョシュア・オッペンハイマー
制作年
2012年
齋藤啓子
視覚伝達デザイン学科
この映画の特筆すべき劇中劇ならぬ映画中映画の仕掛けには、フォーラムシアターの手法がダブってみえる。消し去られた時間と出来事を視覚化し内証するためにはこの方法しかないのだ。必然的にお互いが他の誰かの役割を演じて物語り、繰り返して真実に近づこうとし、それは現実を凌駕していく。普通の人間が自らの尊厳を取り戻すための想像の力を起動させる何かがきっとここにはある。私にはそう思える。映画のエンドロールには夥しい「ANONYMOUS(匿名)」が続くのではあるが…。
制作者
ジム・ジャームッシュ
制作年
2003年
鈴木明
建築学科研究室
「変な出会い」に始まる11のテーブル対話オムニバス。ジャームッシュ組ではおなじみロベルト・ベニーニ、トム・ウェイツに加えケイト・ブランシェット(二役)らが、それぞれ卓を囲み対話する。が、いずれも上っ面をかすめまるで意味をなしていない。「バベルの塔」の逸話どおり日常のディスコミュニケーションを垣間見ることに。機能や意味に満たされていない時間や空間こそデザインが扱うジャンル。そのことに気づかされるのだ。
制作者
藤岡利充
制作年
2013年
宮原一郎
美術館・図書館
政党の支援もなければ知名度もない。けれども、「自分の手で社会をよりよくしたい!」という思いは異常なほど強い男たちに密着した映画。メインとなる大阪でのマック赤坂の選挙活動の記録では、敵陣に1人立ち向かってゆくかっこよさと、焦りのあまり関係のない学生にどなりちらしてしまう人間的な弱さの両方が映し出されている。民主主義の基本である「選挙」について改めて問い直してみよう。スマイル!