copyright (c) Werner Nekes
制作者
ヴェルナー・ネケス
制作年
1985年
狩野 志歩
美術館・図書館
イメージライブラリー
映画発明の遥か昔より人間は「光」や「動く絵」に対する興味を抱いてきた。ドイツの映像作家で映画史研究家でもある作者は、映画前史に出現した光学装置や映像玩具の蒐集家であり、本作ではこれらのオブジェを自ら操りながら視覚表現の成り立ちを紐解いていく。古代の影絵から眼の残像効果を利用した動く絵の玩具、こんにちの3D映画に繋がる立体視装置まで、映画誕生の道程を追体験するように学べる。『映画の考古学』(C・W・ツェーラム著)を一緒に読むと更に理解が深まる。
制作者
黒木 和雄
制作年
1974年
木村 美佐子
美術館・図書館
イメージライブラリー
冒頭から、武士の魂である刀を女の手の内に置き忘れてしまう坂本竜馬像が可笑しい。晩年は“鉄道好きのおじいちゃん”としての露出が多かった原田芳雄が、圧倒的な存在感でむさ苦しく人間臭い竜馬を熱演している。描かれるのは、製作当時の新左翼運動の内ゲバになぞらえた、坂本竜馬暗殺までの3日間。ザラついたモノクロームの映像によって、学生運動が終焉を迎えつつあった時代の殺伐とした空気が映し上げられる。
制作者
チェン・カイコー
制作年
1987年
木村 美佐子
美術館・図書館
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文革時代、毛沢東の政策によって地方の農村へと送られた知識青年たちは、都会の政治から引き剥がされ、無為な青春を送ることを余儀なくされた。この作品では国語教師として雲南省の山奥の中学校へと送られた青年と教え子たちの姿を通し、象徴に満ちた映像で文革の悲劇が語られる。また、この時代に推し進められた大規模な開墾は深刻な自然破壊をもたらすことになった。失意の果てに青年が山を下りる頃、野には火が放たれる。野焼きは文革理念のように美しいが、あとには生命の循環を断たれた自然の骸が残される。