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教育普及

「親子でミニチュア・チェアをつくろう!」
—ムサビの近代椅子(=モダン・チェア)コレクションに触れる—

掲載日:2026年2月20日(金)

美術館 レポート

当館夏休み恒例企画、ムサビ・キッズプログラム「ミニチュア・チェアをつくろう─ムサビの近代椅子コレクションに触れる」を、普段は学生・教職員限定の図書館を会場に実施しました。

このワークショップでは毎年、当館の近代椅子コレクション約400脚のなかから一脚を選び、約1/5スケールのミニチュア・チェアを制作していきます。本物の椅子とできるだけ近いつくり方で実際にミニチュア・チェアをつくってみることで、その椅子の造形的な魅力や機能から導き出された個性的なかたちに目を向けてもらい、「椅子」という身近な存在に込められたデザインの魅力に気づいてもらうことが狙いです。

今年は《スパゲッティ》という椅子に挑戦しました。

1979年、イタリアのジャンドメニコ・ヴェロッティによってデザインされた《スパゲッティ》は、金属のフレームに透明のコードを巻きつけて仕上げたなんとも軽やかで都会的な印象の1脚です。透明のコードなんて座っているうちにだんだんと伸びてきてしまいそうなものですが、使われているのはPVCという復元力の高いプラスチック素材のため、座る人にとっては座面が自分仕様のようにフィットして心地よく、使用後はすぐに元に戻り耐久性も高いため、現在も人気があり生産が続けられています。

ちなみに当館でも50年近く授業で数々の学生が座ってきましたが、今もなおだれることなく当時の張り感を保っています。

今回先生をしていただいたのは、本学工芸工業デザイン学科インテリア研究室助手の武藤結実さんです。普段は研究室業務のかたわらご自身も椅子をはじめとしたプロダクトデザインの研究を行っています。同研究室の3、4年生のみなさんもサポートに入ってくださいました。

制作の前には、約250脚を収蔵展示している椅子ギャラリーの見学も行いました。普段は外から見られるだけなのですが、当日は特別に中に入り《スパゲッティ》との共通点がある透明素材の椅子や、軽い椅子を中心に座っていただきました。近いカテゴリーに属しながらも種々さまざまな椅子をすわり比べていただくことで、お子さんはもちろん保護者の方までお楽しみいただくことができました。

椅子ギャラリー見学のあとは、お待ちかねの制作に移ります。

《スパゲッティ》の制作は、主に金属のフレームを組み立てる作業とフレームにコードをまく作業からなります。

まずは座面フレームの組み立てです。今回使用したステンレスは、適切に使用すると高い強度と耐久性が得られる工業的な素材ですが、わずかなずれを許容してくれません。穴の位置や接着面のわずかなずれによって後々全体の歪みとなってしまう場合があります。お子さんと保護者の方と協力して接着を行っていただきましたが、かなり難易度の高い作業となってしまいました。

組み上がった座枠に今度はコードを巻きつけていきます。当館は透明色を所蔵していいますが、実際には青や赤をはじめカラフルなラインナップがあります。今回は、透明・黒・青・赤・黄の五色を用意し、好きな色を選んでもらいました。


コードを一定の規則に従って座枠に巻きつけていきます。

この作業もなかなか難しく、、、この《スパゲッティ》という椅子が、シンプルな構造ながら職人の高い巻き付け技術によって支えられていることをだんだんと実感していきます。

座枠が完成した後は脚や背のパーツをつけていき、全体のフレームが完成したら背にもコードを巻いて完成です!

終了時刻が過ぎていくなか、つくり上げた達成感と同時に、安堵の気持ちと疲労感が一気に押し寄せるワークショップとなりました。

先生のお話を聞いて真剣に制作に打ち込んでくれたお子さんはもちろん、お子さんの集中力が切れ切れになるなか最後まで励ましの声をかけながら取り組んでくださった保護者のみなさまにもスタッフ一同感謝の限りです。

毎年新しい椅子に挑戦するなか難易度を一定にすることの難しさを感じつつ、今後も夏休みにワークショップを開催したいと考えていますので、ぜひ当館の情報をチェックしていただけましたら幸いです。

お問い合わせ先

お問い合わせフォームからお送りいただくか、下記までお問い合わせください。

武蔵野美術大学 美術館・図書館
電話:042-342-6003
Eメール:m-l@musabi.ac.jp

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