1974年11月25日(月)-12月7日(土)
村井正誠教授作品展
美術館 終了
- 会期
- 1974年11月25日(月)-12月7日(土)
- 休館日
日曜日、祝日
- 入館料
無料
- 会場
武蔵野美術大学美術資料図書館 1階展示室
- 主催
武蔵野美術大学美術資料図書館
村井正誠教授は、昭和24年に武蔵野美術学校講師となって以来、昭和50年3月に武蔵野美術大学別科実技専修科主任教授として定年退職するまで、26年間にわたって本学の指導に当られた。「村井正誠教授作品展」は、定年退職を機に、その芸業の全貌を紹介するために聞かれたもので、自選による油彩画20点、版画19点、水彩・素描8点、扉風1点、彫刻4点、陶磁8点で構成された。
これだけの点数の自選作品を一堂に集めることができたのは圧巻であり、東京国際版画ビエンナーレ展での受賞作やサンパウロビエンナーレ展出品作を含む作品群は、村井芸術の歩みと、多彩な拡がりを示して、見る者に大きな感銘を与えた。
わが国における抽象美術の草分けの一人として、戦争中の困難な状況下においても、また戦後のさまざまな流れが生起する中においても、終始一貫して抽象美術を追求してきたことは、自選作品の語るところである。
また、この展覧会のカタログのために書き下ろされた「自由な立場」は、作者自身の筆によって、村井芸術の歩みと、生成過程を明らかにしたもので、村井芸術を理解する上での重要な鍵となり得るものであろう。
カタログ掲載の「村井正誠関係文献目録」は、村井正誠に関するすべての情報を集めたもので、村井芸術の研究のための基礎的な資料といえよう。
なお、展覧会終了後、「百霊廟」「料理人」「黒い記録」「夜の人々」の油彩画4点、「僧」「坐る二人」の水彩画2点が大学に寄贈され、当館に保存されている。