2017年5月22日(月)-8月13日(日)
芦原義信建築アーカイブ展―モダニズムにかけた夢
美術館 終了
モダニズムの盛期1950年から70年代に数々の名建築を手がけた芦原義信の活動の軌跡を、武蔵野美術大学所蔵「芦原義信建築資料アーカイブ」の図面、写真、模型によってたどる。本学キャンパスなど代表作11点の紹介に加え、米ハーバード大留学時代の課題図面など貴重な資料も展示。全作品300件のデジタルデータ、タイムラプス映像、撮り下ろしの建築写真によって、建築アーカイブのあり方も提言する。
- 会期
- 2017年5月22日(月)-8月13日(日)
- 時間
- 10:00-18:00(土曜日、特別開館日は17:00閉館)
- 休館日
日曜日、祝日
※6月11日(日)、7月17日(月・祝)、8月13日(日)は特別開館- 入館料
無料
- 会場
武蔵野美術大学美術館 展示室1・3・4・5
- 主催
武蔵野美術大学 美術館・図書館
- 共催
武蔵野美術大学 造形研究センター
- 協力
芦原建築設計研究所
- 監修
松葉一清(武蔵野美術大学 造形文化・美学美術史教授)
田中正之(武蔵野美術大学 造形文化・美学美術史教授)
この度、武蔵野美術大学 美術館・図書館では、展覧会「芦原義信建築アーカイブ展—モダニズムにかけた夢」を開催いたします。
日本の戦後モダニズム建築の盛期1950年から70年代に焦点をあて、数々の名建築を手がけた建築家・芦原義信(1918-2003年)の軌跡を、手描きの図面など100点以上に及ぶ建築資料の展示でたどります。
本展では「中央公論ビルディング」(1956年)、「駒沢公園体育館・管制塔」(1964年)、「ソニービル」(1966年)、「モントリオール万国博覧会日本館」(1967年)など10の代表的な建築に加えて、芦原義信の建築や外部環境の理念を伝える「武蔵野美術大学鷹の台キャンパス」(1964年)を紹介します。当館が所蔵する20万点に及ぶ「芦原義信建築アーカイブ」の中から手描き図面や写真などの建築資料、さらには1950年代初頭ハーバード大学大学院に留学当時の課題図面など貴重な個人資料も展示します。
アーカイブに残された約4万点の手描き図面は、現在のCADデータによる図面とは違い、技巧に裏打ちされた緻密な鉛筆の運びによって描かれています。図面表現から見える設計者の意思や姿勢、複数の図面から設計プロセスを追うことにより浮かび上がる設計思想、さらには当時の建築設計への情熱が実感いただけることでしょう。アーカイブには、精密で端正な手描きの構造図や設備図も含まれており、構造設計の織本匠(1918-2001)や設備設計の犬塚恵三(1924-)との緊密な連携が芦原の作品の根幹を支えていたことが読み取れます。
11の代表作を題材に、所蔵資料による空間解明に加え、会場内のタッチパネル端末によって図面や写真を中心とした芦原義信設計の全300件の作品資料の閲覧もできます。また、本学キャンパスを写真家の村井修/有川幸雄と百瀬俊哉が新たに撮影した写真展示を通して、美術大学として50年以上を経たキャンパスの姿と魅力を新たな角度から浮かび上がらせます。さらに実在の建築をどのように記録していくかという観点から、キャンパスを2年以上延べ650時間にわたって撮影してきたタイムラプスによる映像ドキュメントのインスタレーション展示、モバイル端末を使って見ることができる初期キャンパスのCG再現アプリなど、新たな建築アーカイブの試みも体験できます。
※本展は2013年からスタートした武蔵野美術大学造形研究センターの研究プロジェクト「近現代建築空間および生活デザインの高度なデジタル・アーカイブ化と、生活文化空間の総合的研究」の成果を公開する目的で企画されました。
見どころ
出品作家紹介
芦原義信(あしはら よしのぶ)
1918年7月7日-2003年9月24日
東京大学を卒業後、ハーバード大学大学院を修了し、マルセル・ブロイヤー事務所に勤務。帰国後は駒沢オリンピック公園体育館・管制塔、ソニービル、武蔵野美術大学鷹の台キャンパス、第一勧業銀行本店(現みずほ銀行東京営業部)、国立歴史民俗博物館などを設計した。また『街並みの美学』、『外部空間の設計』など都市の景観や建築の空間に関する著作多数。法政大学、武蔵野美術大学、東京大学の教授を歴任し、建築教育に尽力するだけでなく、日本建築学会会長なども務め、日本の建築界を牽引した。1998年文化勲章受章。