2017年5月22日(月)-8月13日(日)
モダンリビングへの夢―産業工芸試験所の活動から
美術館 終了
産業工芸試験所は、商工省工芸指導所(1928年設立)が1952年に改組した通産省下の研究所で、国の機関として産業振興のためのデザイン・工芸の研究を行った。本展では、1950年代から60年代を中心に、この産工試による試作品や国内外で収集された参考品を紹介、戦後復興期から高度経済成長期の日本が目指したデザイン、そして生活像を探る。
- 会期
- 2017年5月22日(月)-8月13日(日)
- 時間
- 10:00-18:00(土曜日、 特別開館日は17:00閉館)
- 休館日
日曜日、祝日
※6月11日(日)、7月17日(月・祝)、8月13日(日)は特別開館- 入館料
無料
- 会場
武蔵野美術大学美術館 展示室2
- 主催
武蔵野美術大学 美術館・図書館
- 共催
武蔵野美術大学 造形研究センター
- 監修
髙島直之(武蔵野美術大学 芸術文化学科教授)
柏木 博(武蔵野美術大学名誉教授)※特別監修
この度、武蔵野美術大学 美術館・図書館では、展覧会「モダンリビングへの夢-産業工芸試験所の活動から」を開催します。
本展では、1950年代から60年代を中心に、産業工芸試験所の参考品、試作品約150点を紹介し、戦後復興期から高度経済成長期の日本が目指したデザイン、そして生活像を検証します。
産業工芸試験所は、日本の商工省工芸指導所が1952年(昭和27年)に改称改組して通産省工業技術院下に置かれた国の機関です。1928年(昭和3年)、仙台市に設置された商工省工芸指導所は、国内産業と輸出産業の振興を、工芸および今日的意味でのデザインから行うことを目的としていました。その事業を引き継いだ産業工芸試験所では、国内外から数多くの生活雑貨を参考品として収集し、また国内各地の試験場、生産者とも協力してさまざまな種類の試作品を制作しました。こうした参考品、試作品の多くは一般財団法人 工芸財団に移管され、その一部が当館に寄託・保管されています。それらの貴重な資料は、当時のデザインや技術、素材の特質を示すと同時に、どのようなありうべき日本の生活スタイルを理想としていたのかを浮かび上がらせるものでもあります。
戦後、日本が復興し、国際社会へ進出する経済成長の時代に、デザインや工芸がいかに社会や産業、輸出貿易といった現実的な問題と関わり、貢献したのか。また、世界のデザインや工芸のレベルをどのように考え吸収し、日本のデザイン=産業工芸として昇華させたのか、その一端をご覧いただけることでしょう。
*本展は「文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成25-29年度)」の採択を受けて開催します。
見どころ
1. 産業工芸試験所の活動を実資料から紹介
日本のモダンデザインの形成に大きな役割を果たした産業工芸試験所。しかし、その重要度に比して、具体的な活動の紹介はあまりなされてきませんでした。今回は、活動の経過や成果を、参考品、試作品という数多くの実資料によって明らかにします。
2.1950年代から60年代の日本のモダンデザイン創造の一翼を紹介
1950年代から60年代は、日本のモダンデザインが大きく成長を遂げた時代です。これまでもその成果が紹介されてきましたが、それに加えて産業工芸試験所の活動や意義を明らかにすることで、当時の日本デザインが試みたもの、成し遂げたものが、より広い視点から浮かびあがることでしょう。