2013年9月17日(火)-11月16日(土)
向井周太郎 世界プロセスとしての身振り
美術館 終了
2000年にドイツ・ボンの国際展に出品された作品「世界プロセスとしての身振り」を展示。古今東西の「身振り」にまつわる図像で構成された本作によって、向井周太郎名誉教授のデザイン哲学を視覚的に紹介する。
- 会期
- 2013年9月17日(火)-11月16日(土)
- 時間
- 10:00-18:00 *土曜日、特別開館日は17:00閉館
- 休館日
日曜日、祝日 *9/23(月)、10/27(日)、11/4(月)は特別開館
- 入館料
無料
- 会場
武蔵野美術大学美術館 アトリウム2
- 主催
武蔵野美術大学 美術館・図書館
- 共催
武蔵野美術大学 造形研究センター
- 協力
武蔵野美術大学 基礎デザイン学科研究室
- 監修
向井周太郎(武蔵野美術大学 名誉教授)
ミヒャエル・エールホフ(ケルン・インターナショナル・スクール・オブ・デザイン教授)※共同監修- 助成
公益財団法人 野村財団
このたび武蔵野美術大学 美術館・図書館では、本学名誉教授である向井周太郎氏のデザイン哲学が凝縮された作品「世界プロセスとしての身振り」を紹介する展覧会を開催いたします。
本作品は、2000年、ドイツで行われたハノーファー万国博覧会の併設事業として、ボンのドイツ連邦共和国アート&エキジビションホールで開催された「今日は明日―経験と構成の未来」展に出品されました。
シルクスクリーンプリント30点から成る本作は、向井氏自身の手によって集められた古今東西の図像がその論考とともにテーマ毎に構成されています。人間身体(ミクロコスモス)の「身振り」と大自然(マクロコスモス)の「身振り」を探る内容となっており、向井氏のデザイン学の基盤を形成する「形態学(モルフォロギー)思考」が凝縮されています。
本展では、向井氏の監修に加えて、ドイツでの展覧会においてキュレーションを務めたケルン・インターナショナル・スクール・オブ・デザイン教授のミヒャエル・エールホフ氏を共同監修に迎え、当時と同様に書物に見立てられた空間として当館アトリウムに作品を設置します。「中空に吊られた30枚のパネルが、空間のなかにひとつのパサージュとして本宇宙を形成する」というドイツ展での向井氏のコンセプトは、本展においても吹き抜けのまさにパサージュといえる空間に展示されることで、より明確に体感できることでしょう。
現在も活躍する両氏の監修による本展は、2000年の再現にとどまることなく現在の問いかけとして発信されます。さらに、作品への理解を深めるために評論家やデザイナーなど10名以上の著者による論考を収録した図録の刊行やトークイベントを予定しており、向井氏を中心としたデザイン学の対話を活発に行われるでしょう。
「・・・デザイン・・・それは、「生」の全体性としての生活世界の形成であり、世界プロセスの新しい身振りとしての生態美(das Öko-Schöne)の形成であるともいえる。まさに、ここに新世紀におけるデザインという行為の新たな課題の地平が開かれている。この「身振り」は、すでに見てきたように、人間のさまざまな表現運動や動物の行動や、自然や世界の生成リズムを包含可能な概念である。しかもこの概念は、世界のさまざまな現象や専門性を横断し、私たちの原記憶や自己と世界の再生への想像力を喚起してくれるものである。」
向井周太郎
見どころ
向井周太郎
出品作家紹介
1932年生まれ。インダストリアル・デザイナー。早稲田大学商学部卒業後、ドイツ・ウルム造形大学でデザインを専攻。同大学およびハノーファー大学インダストリアル・デザイン研究所のフェローなどを経て、武蔵野美術大学に基礎デザイン学科を設立し、新しいタイプの人材の育成とデザイン学の形成に力を注ぐ。現在、武蔵野美術大学名誉教授、国際デザイン研究評議会(BIRD)委員、基礎デザイン学会会長、日本記号学会理事、等