2011年7月4日(月)-9月24日(土)
※8月7日ー9月4日は休館期間
※7月18日、9月23日は特別開館(10:00-17:00)
中村とうようコレクション展
楽器とレコードを中心に
美術館 終了
音楽評論家、中村とうよう氏の寄贈コレクションの中から、世界各国のレコードや楽器を本学独自の視点で紹介する。
- 会期
- 2011年7月4日(月)-9月24日(土)
※8月7日ー9月4日は休館期間
※7月18日、9月23日は特別開館(10:00-17:00)- 時間
- 10:00-18:00(土曜日と特別開館日:17:00閉館)
- 休館日
日曜日、祝日、8月7日ー9月4日
- 入館料
無料
- 会場
武蔵野美術大学 美術館展示室1
- 主催
武蔵野美術大学 美術館・図書館
- 共催
武蔵野美術大学 造形研究センター
- 監修
柏木博(武蔵野美術大学 造形文化・美学美術史 教授)
中村とうよう(造形研究センター 客員研究員)※特別監修
当館は、わが国のポピュラー・ミュージック研究の草分けのひとりであり、音楽雑誌「ミュージック・マガジン」(1969年創刊)の初代編集長である音楽評論家、中村とうよう氏の所蔵されていた音楽関連コレクションのすべてを、2006年にご寄贈いただきました。その内容には、ジャズ、ポピュラー音楽、民族音楽を含む世界各国のSPレコード、LPレコード、文献、民族音楽など、幅広く網羅されています。
本展では、この中村氏のコレクションを通して、音とヴィジュアルが交差する新たな魅力を、美大ならではの視点で伝えたいと思います。特にLPレコードのジャケットは、1950年代から70年代にかけて、グラフィック・デザイナーたちが競って個性的なデザインを展開した表現の場でもありました。また、それに先行したSPレコードは、今では文化財として後世に伝えるべき音楽メディアの原点です。それらのレコードを聞くために作り出された蓄音機(オーディオ機器)も、音楽の歴史を伝えるのに欠かすことの出来ない道具であり、それらの在りし日の姿を顧みるのも、歴史の貴重な追体験となるはずです。そして、音楽を生み出すために作られた世界各地のさまざまな楽器は、先人の工夫の足跡を忍ばせてくれます。
現代ではインターネットを通じた音楽配信の普及に見られるように音楽メディアの形態が変化するなか、そのモノとしての魅力のあり方も変容していますが、この展示を通してその役目を終えたアナログ・レコード音楽を身近に体験できる機会を提供することや、民族の誇りを象徴すべく機能的に作り出された楽器の魅力に直に触れることは、作家を養成しモノを作り出す大学としては大きな意義のある試みであると思います。
なお本展は、造形研究センター近代デザイン研究プロジェクトの一環として、センターの客員研究員である中村氏自らが特別監修の立場でこれまでの研究成果をまとめて広く公開いたします。
見どころ
出品作品
「中村とうよう氏が描く楽器の世界史」
中村とうよう氏のまなざしは、音楽産業において広く活用されている楽器と同様に、素朴な素材によって作られ大量生産されることのない楽器や民族楽器と呼ばれるような地域性の色濃い楽器にも向けられており、それらの楽器、楽器から生み出される音楽への敬意と愛情にあふれています。それは、中村氏が土着的な楽器が備えるものの中に音楽的な価値を見出しているからに他なりません。定説に縛られることなく独自の視点から世界中の楽器を俯瞰することで、それら民族楽器の優れた機能や特徴を導き出しています。ミュージック・マガジンでも紹介されたサワリ(雑音)の魅力などは、そういった中村氏のまなざしがあってこその主張だと言えるでしょう。まさにこの視点こそが、私たちに世界中の音楽を紹介されてきた音楽評論家中村とうようたる所以なのではないでしょうか。
本展では、中村とうよう氏が実際に世界各地を訪れて収集された様々な楽器を、それらの楽器の優れた演奏が収録されているレコードと共に紹介します。中村氏書き下ろしの解説をきっかけとして展示をご覧いただくことで、音楽を取り巻く豊かな表現を感じ取っていただけるでしょう。