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2021年04月03日

展覧会の開催について

「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」展、「片山利弘——領域を越える造形の世界」展を開催いたします。→美術館にご来館のみなさまへ

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2021年4月5日(月)〜2021年6月20日(日)

オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所

美術館 開催中

ご来館の際はこちらをご覧ください。

 戸谷成雄、舟越桂、伊藤誠、青木野枝、三沢厚彦、西尾康之、棚田康司、須田悦弘、小谷元彦、金氏徹平、長谷川さちといった現代彫刻を牽引する多彩な彫刻家11名が参加し、新作を中心に展示します。さらに画家である杉戸洋の独自の空間意識が展示構成に関わることで、予定調和に収まらない彫刻空間を作り上げます。
 「オムニスカルプチャー」は、様々な思考や表現法によって拡張可能な彫刻において、彫刻の全方位性(≒omni)を示す、三沢厚彦による造語です。本展では、「オムニ」という彫刻の一つの概念をめぐって、多様なアーティストの作品が共生、あるいは対峙することによって、彫刻の新たな可能性を浮上させます。

会期
2021年4月5日(月)-2021年6月20日(日)
時間
10:00-18:00(土曜日、祝日、特別開館日は17:00閉館)
休館日

日曜日 ただし6月13日(日)と20日(日)は特別開館日

入館料

無料

会場

武蔵野美術大学美術館 アトリウム1・2、展示室1・2

主催

武蔵野美術大学 美術館・図書館

協力

ANOMALY、ケンジタキギャラリー、小山登美夫ギャラリー、シュウゴアーツ、西村画廊、ヒノギャラリー、ミヅマアートギャラリー、武蔵野美術大学 造形学部彫刻学科研究室

監修

三沢厚彦(彫刻家/武蔵野美術大学 造形学部彫刻学科 教授)

会場構成
杉戸洋
関連イベント
イベント情報をご確認ください。

※新型コロナウイルス感染症の今後の拡大状況に応じて会期が変更となる場合があります。

お問い合わせ

お問い合わせフォームからお送りいただくか、下記までお問い合わせください。

武蔵野美術大学 美術館・図書館
電話:042-342-6003
Eメール:m-l@musabi.ac.jp

見どころ

 様々な思考を形象化する現代彫刻の姿は、一つの様式には収まらず多様な表現方法によって拡張し続けています。本展で紹介する、現代彫刻を牽引する11 名の作家たちは、世代もさることながら、彫刻への考え方や向き合い方も各人各様で、木、鉄、石、FRP など扱う素材や技法も多岐にわたります。それぞれの彫刻は固有のベクトルや解釈可能性を持ち合わせており、まさに現代彫刻の全方位性を体現するかのような彫刻家が集まったといえます。
 一方で、彫刻は自律的であると同時に、実体として定立するためには場所性とも不可分であり、周囲の環境との関係性が重要な要素です。本展会場は、建築家の芦原義信が1967 年に設計した、ブルータリズムの影響を受けたモダニズム建築であり、その後さらに異なる建築思考による二度の改修を経て、特有の空間となっています。この空間のなかで、画家の杉戸洋が展示構成に介入し、一つの触媒となることで、11名による彫刻のこれまでにない関係(あるいは共生性)を誘発します。そして、展示空間全体もまた一つの表現性を有することで、この場所をめぐって、彫刻の現在とこれから、その姿が立ち現れます。
 なお出品作品に関連するドローイングなど、作家ら固有の思考の一端がみえてくる資料も公開する予定です。彫刻の全方位性を示す「オムニ彫刻」をひとつのキーワードに、多様な思考や解釈が入り組むなかで、新たな表現への展開を探ります。

 

監修者コメント

 1989年、それまで私自身が耳にしてきた様々な音楽を包括してくれるかのようなアルバム、細野晴臣の『omni Sight Seeing』がリリースされた。当時、大きな喜びを感じると同時に、畏敬の念すらも抱きながらこのアルバムを聴いたことを、今でも鮮明に覚えている。アルバムに冠された『omni Sight Seeing』という言葉は、omni:全方位性、Sight:目にうつる場所(そしてその意味性)、Seeing:見えてくる意識、と捉えることができるように思う。それぞれの単語は、全体性と個々のファクターからなり、不可分なものとして入り交じる一方で、ある時はパラレルに共存しながら重層化することで、全体の様相が立ち現れてくる。この言葉は、私が彫刻に向き合うときに対峙する、自己の存在 や表現の原質への問いー「私はだれで、どこに居て」、「何を見て、どう感じるのか」ーを探るうえでの手がかりとなっていたと思う。
 何を彫刻として表現するのか、あるいは彫刻とは一体どういったものなのかー作家にとって、彫刻の考え方や表現方法は多様であるため、その答えは複合的であり、千差万別なのだろう。
 今ここに彫刻を思考し、それぞれの方位を持って作品を発信し続けている作家が集まった。彼らが集まることで派生する彫刻の全方位性は、芦原義信設計の空間のなかで展開することになる。彫刻と建築、さらに個々の作品同士が呼応する空間において、一つのパースペクティブから離れた全方位的な知覚をとおして、オムニ彫刻の姿が多元的に浮かび上がってくる。

三沢厚彦(彫刻家、本展監修)

 

参考図版|本展の会場となる武蔵野美術大学美術館 アトリウム1・2、展示室2

杉戸洋「cut and restrain」 (小山登美夫ギャラリー、2019 年)での展示風景 撮影:髙橋健治 ©Hiroshi Sugito [参考図版]

 

出品作品

出品作家紹介
戸谷成雄
1947年長野県生まれ。彫刻とは何か、もの派以降新たな彫刻の再構築を試みる。チェーンソーなどを使った木彫作品を中心に森シリーズ、ミニマルバロックシリーズなどへと展開。普遍的な彫刻理論に裏打ちされた深い作品世界によって、彫刻の本質とその可能性を提示し続けている。
舟越桂
1951年岩手県生まれ。遠くを見つめるかのような、神秘的な目を持つ肖像的木彫作品で知られる。その静謐な胸像は、人間の存在とは何かを見透かすように、我々に問いかける。近年は「スフィンクスシリーズ」も制作し、その具象彫刻は一層深淵な人間のリアリティを宿し、特有の世界観を持つ。
伊藤誠
1955年愛知県生まれ。FRP、ゴム、ステンレス、鉄など、様々な素材を用いて、既成概念にとらわれない軽やかな形態を生み出す。そこにある複雑な構造は、我々の名もなき感覚を刺激し、まだ見ぬ領域へと誘う。近年は鑑賞者に直接的に訴えかけるような、身体に装着可能な作品も発表している。
青木野枝
1958年東京都生まれ。大気や水蒸気などをモチーフとして、工業用の鉄板を主に円環状に溶断したパーツを溶接し作品を制作する。鉄本来の重さや固さから解き放たれた作品は、自然の移り変わりや生命の循環を思わせる。近年は鉄だけでなく、石膏やガラス、石鹸など新たな素材を用いた作品も制作する。
三沢厚彦
1961年京都府生まれ。2000 年より動物をモチーフとした彫刻「ANIMALS」シリーズを発表。樟の丸太からノミで彫り出し、油絵具で彩色したほぼ等身大の動物像は、新たな彫刻のリアリティを獲得するとともに圧倒的存在感を放つ。ユニコーンやキメラなど、近年は空想上の動物の彫刻にも取り組んでいる。
西尾康之
1967年東京都生まれ。指で粘土を押し込め作った雌型に石膏を流し込む「陰刻鋳造」で知られる。彫刻の内部からかたどってゆくこの手法では、その全貌は完成まで把握できない。不可視の内面から押し出すように全面に指跡が刻まれたその表面は生々しく、そして強烈な印象を残す。
棚田康司
1968年兵庫県生まれ。2001 年のドイツ滞在以降、一貫して日本の伝統的技法「一木造り」で人間、とりわけ少年少女の像を作り続けている。細身の身体に長い手足を持つ少年や少女の像は、繊細さや不安定さ、危うさを孕み、曖昧な境界に漂う人間の存在、あるいはその情念を表出する。
須田悦弘
1969年山梨県生まれ。本物の草花と見紛うほど細密な木彫を制作する。単なる精巧さでなく、場所との関係性にこそ作品性が宿る。思いがけない場所に現れ、空間を大きく変容する小さく儚い草花は、静かに、しかし特異な存在感を放つ。
小谷元彦
1972 年京都府生まれ。失われた知覚や身体の変容を幻影として捉え、不在と存在、覚醒と催眠など両義的な中間領域を探求する。立体作品のみならず、写真や「映像彫刻」ともいえる体験型インスタレーションなど、多様なメディアを用いて新たな彫刻の姿を模索し続けている。
金氏徹平
1978年京都府生まれ。フィギュアや日用品などを用いて、解体と再構築を反復したコラージュ的手法で制作した作品は、日常のイメージを軽やかに拡張しながら現代彫刻のあり方を問う。2011 年以降は舞台美術を手がけるなど、枠組みにとらわれず幅広い分野で活動している。
長谷川さち
1982年兵庫県生まれ。日本古来の風景や営みなどからインスピレーションを受け、無数のノミ跡を残しながら石を彫る。石という古代から続く素材で制作された、不可視な存在や見ず知らずの自然物を具現化させたような固有の有機形態は、今日においても彫刻の神秘性を宿す。

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