Museum &
Library

美術館・図書館について

館長あいさつ

武蔵野美術大学 美術館・図書館
館長 新見 隆

我々は、なによりも、あなた方自身の孤独の友でありたい
-「出会い」のミュージアム、「五感」のライブラリー、あるいは人間と世界を訪ねる民俗コレクション

僕は、難しいことは、言わない。
言うつもりも無いし、授業でも自分の身体で知っていることしか、教えていない。
教えられない。
だがそれが、美術大学、ではないだろうか?
それが、我々が集う、この美術大学の根っこではないのだろうか?
ミュージアムが何故あるのか、みなさん学生のために何故あるのか、よくよく、考えていただきたい。
ミュージアムとは、他者に出会う、稀有な場ではないだろうか。
そういう場所は、今現在、世界にも社会にも、皆無とは言わないが、そうそうは無い。
「作品や資料」という、他者。世界とは未知の恐怖であり、我々を無限の魅惑で鼓舞することもあれば、またその畏れでクシャクシャに、おしつぶすこともある。それを生んだ作家という、またこの素晴らしくも、恐ろしい他者がある。
だから造形という、天から降ったような荒技が人間には出来るのである。またさらにそれを見る、楽しむ、面白がる我々自身である、観客である他者がいるのである。
だから何より、私という他者、あなたという他者、に出会う、稀有な場が、ミュージアムであるのではないだろうか。
どうか、この、ウルトラ稀有な場で、あなただけの、他者に、出会っていただきたい。

一冊の本が、人生の真の友だとあなたが知らないなら、それは、あなた自身の人生の価値の過半をドブに捨てていることになるだろう。
生きて行くのは、辛いし、しんどい。ハッピー、だとか面白可笑しいばかりであるわけはない。絶対に、無い。
だが一人、たった一人で、そういう時に、図書館に来ていただきたい。
一人の、自分だけの、唯一無二の、友を探すためにだ。
読まなくても構わない。もう、単なるお勉強は終わったのだ。
本の背を眺め、手に取ってなぜるだけでも、それは立派な本とのコミュニケーション。
ただボオッと、何もせず、何も思わず、図書館でぼんやりするのも、良いだろう。
誰にも、心の古里が要る。涙を流すのもよし、また、その必要もなかろうさ。
あの、子供の頃の、悲しい澄んだ野原のように。無限の遊びの迷路のように。

あなたたちを、我々は皆、心から、待っています。

沿革

1957(昭和32) 武蔵野美術短期大学設置 附属図書館開設
1962(昭和37) 武蔵野美術大学造形学部開設 附属図書館開設
1967(昭和42) 美術資料図書館(現美術館棟)竣工(設計:芦原義信)
美術資料図書館開館
館長 田澤坦(美術史・美術理論 教授)[~1971]
開館記念「日本=ドイツ=スイス学生合同作品展」開催
1972(昭和47) 館長 芳武茂介(生活デザイン科 教授)[~1980]
1977(昭和52) 美術資料図書館(現美術館棟)増築(設計:保坂陽一郎)
1981(昭和56) 館長 町田甲一(美学美術史 教授)[~1983]
1982(昭和57) 民俗資料室を旧2号館に整備
1984(昭和59) 館長 真野善一(工芸工業デザイン学科 教授)[~1985]
1986(昭和61) 館長 水尾博(美学美術史 教授)[~1986]
1987(昭和62) 館長 向井良吉(空間演出デザイン学科 教授)[~1987]
1988(昭和63) 館長 桑原住雄(美学美術史 教授)[~1993]
1994(平成6) 館長 田村善次郎(一般教育 教授)[~1999]
2000(平成12) 館長 神野善治(教職・学芸員課程 教授)[~2010]
2005(平成17) 民俗資料室を13号館に移設し、展示ギャラリーを開設
2008(平成20) イメージライブラリーを教務課より移管
造形研究センター設置
2010(平成22) 美術資料図書館を美術館・図書館へ名称変更
図書館棟竣工(設計:藤本壮介、サインデザイン:佐藤卓)
2011(平成23) 美術館棟改修(設計:藤本壮介)
館長 田中正之(造形文化・美学美術史 教授)[~2014]
美術館棟リニューアル開館記念「ムサビのデザイン コレクションと教育でたどるデザイン史」展開催
同「WA:現代日本のデザインと調和の精神 世界が見た日本のプロダクト」展開催
イメージライブラリーを美術館棟に移設
2015(平成27) 館長 赤塚祐二(油絵学科 教授)[~2022]
2019(平成31) 市ヶ谷キャンパス図書館を開館
2023(令和5) 館長 新見隆(教養文化・学芸員課程 教授)[~現在]

館報

美術館・図書館の活動記録を館報として公開しています。
なお、31号より冊子媒体を廃止し、デジタルデータ(PDF)にしております。

館報 no.32(2022-2023年度)

館報 no.31(2020-2021年度)

キャンパスマップ

鷹の台キャンパス

美術館・図書館は、大学正門を直進した突き当たりにあります。
広場に面した美術館と、その西側に図書館が隣接します。
また、イメージライブラリーは美術館棟2階、民俗資料室は13号館2階にあります。

市ヶ谷キャンパス図書館

〒162-0843 東京都新宿区市谷田町1-14-1 DNP市谷田町ビル DNPプラザ地下1階

図書館はDNPプラザの地下1階にあります。
(市ヶ谷キャンパスより徒歩約2分)

市ヶ谷キャンパスのご紹介

美術館は、1967年に「美術資料図書館」として開館し、2010年に「美術館・図書館」と名称を変更、2011年にリニューアル開館しました。大学美術館として美術作品やデザイン資料などの収集と保存、データベースの構築、展覧会の企画、開催、図録の刊行などの活動を行っています。

3万点におよぶポスターと、400脚を数える近代椅子など約4万点をこえるデザイン資料や絵画や彫刻、版画などの美術作品は、研究の貴重な基礎資料として社会的にも大きな意義を持つコレクションを形成しています。

今後もさらなる教育研究機能の充実と、多岐にわたる展覧会の開催を通して活発な情報発信を行います。

開館時間:
月曜日〜金曜日 11:00〜19:00
土曜日、日曜日、祝日、特別開館日 10:00〜17:00
休館日:
水曜日、展示替期間、入構禁止期間

図書館は、美術・デザインの専門書を中心とした約32万冊の図書や、学術雑誌・専門雑誌など約5000タイトルを所蔵し、美術系大学の図書館としては日本有数の規模を誇ります。

また、20世紀アヴァンギャルド資料や、博物図譜資料、奈良絵本世草子をはじめとする和装本など、多くの貴重書も所蔵しており、それらを活かしたゼミや講義も活発に行われています。

館内にはグループ学習室や大学院生・研究者用の個室を備えるほか、知りたい時、知りたい場所で、知りたい情報を、簡単に得ることができるユビキタス・インフォメーションアクセス環境を整備し、本学の教育研究を支えています。

[鷹の台キャンパス図書館]

開館時間:
月曜日〜金曜日 9:00〜20:00
(夏休み期間 10:00〜18:00)
土曜日、特別開館日 9:00〜17:00
休館日:
日曜日、祝日、館内整理期間、入構禁止期間

 

[市ヶ谷キャンパス図書館]

開館時間:
月曜日〜金曜日 10:00〜20:00
休館日:
日曜日、年末年始、館内整理期間

民俗資料室では、暮らしの中で使われていた道具(民俗資料)を約9万点収蔵しています。

故宮本常一教授の指導により収集が開始され、30年来にわたって蓄積されたものです。生活用具、郷土玩具、凧、信仰資料など、高度経済成長と共に失われてきた民俗資料は、豊富さと水準において、国内有数のコレクションとなっています。

これらの収蔵資料の活用と公開を目的に、収蔵庫の一部公開や民俗資料室ギャラリーでの展覧会を開催しています。

開室時間:
火曜日・木曜日 10:00~16:30(収蔵庫見学可)
※ 展覧会開催期間のみ 月曜日〜土曜日 10:00〜17:00
休室日:
日曜日、祝日、展示替期間、入構禁止期間

イメージライブラリーでは、映画、ドキュメンタリー、アニメーション、アート映像をはじめとした幅広いジャンルの映像作品を収集しています。

映画史、映像史を学ぶ上で欠かせない作品や、一般に視聴する機会の少ない芸術性の高い作品も含め約2万点を所蔵し、美術大学における貴重な教育資源となっています。

これらのコレクションは館内の視聴エリアで視聴可能なほか、一部資料については貸出も可能です。

開館時間:
月曜日~金曜日 10:00~20:00
土曜日、特別開館日 10:00~17:00
休館日:
日曜日、祝日、館内整理期間、入構禁止期間