2014年9月8日(月)-10月27日(月)
ムサビのデザインⅣ
1980-1990’s:エットレ・ソットサスとヌオーヴォ・デザイン
美術館 終了
所蔵作品からデザインの核心に迫る「ムサビのデザイン」シリーズ。第4回目となる本展では、イタリアの建築家・デザイナーとして活躍したエットレ・ソットサス(1917-2007)が、1990年に発表した照明27点を中心に紹介。さらに80年代以降ソットサスの前衛的なデザインを生んだメンフィスなどの挑戦的なデザイン運動にも着目する。
- 会期
- 2014年9月8日(月)-10月27日(月)
- 時間
- 10:00~18:00(土曜日、特別開館日:17:00閉館)
- 休館日
日曜日、祝日 ※9月15日(月・祝)、10月26日(日)は特別開館
- 入館料
無料
- 会場
武蔵野美術大学美術館 展示室2
- 主催
武蔵野美術大学 美術館・図書館
- 共催
武蔵野美術大学 造形研究センター
- 監修
柏木 博(武蔵野美術大学 造形文化・美学美術史教授)
松葉一清(武蔵野美術大学 造形文化・美学美術史教授)
このたび、武蔵野美術大学 美術館・図書館では展覧会「ムサビのデザインⅣ 1980-1990’s:エットレ・ソットサスとヌオーヴォ・デザイン」を開催いたします。
「ムサビのデザイン」展の第4弾となる本展では、イタリアの建築家でありデザイナーのエットレ・ソットサス(1917-2007)に注目し、ポスト・モダンのデザインのうねりが頂点に達した1989年に、彼がデザインした照明27点を一挙に展示します。
同時に、ソットサスがミラノで結成したデザイン・グループ「メンフィス」(1981年)に代表される、1980年代頃から国際的に隆盛し、ヨーロッパのほか日本にも広まった「ラディカルな」デザインの動向を振り返ります。
約50点の作品を通して、本展は、規範的なデザインの枠にとらわれないユーモアに溢れる先鋭的なデザインの数々に触れる機会となるでしょう。
見どころ
出品作品
1.1950-70年代にかけて、オリベッティ社のコンサルタント・デザイナーとして活躍したソットサスの仕事を紹介
同社で手がけた機器類のなかでも名作といわれる、真っ赤なタイプライター「バレンタインS」(1969年)や、快適なオフィスライフのために考え抜かれたインテリアデザインの数々をご覧いただきます。
2.ソットサスと日本との関係を示す、照明器具の貴重なプロトタイプ26点と復刻品1点を実際に点灯しながら展示
ペンダントランプ、ブラケット、フロアランプ、テーブルランプと用途が多様であり、木・金属・大理石・ガラスなどの異素材を組み合わせた斬新な形と鮮やかな色彩が、時には異様なまでの存在感を放ちます。この照明器具は1989年に、かねてから交流のあった日本企業・ヤマギワの依頼によってデザインされました。先述のオフィス用品とは対照的に、私的な空間のためのものである一方で、個人の趣向を超えて一部がグッドデザイン賞を受賞しており(1991年)、現在も販売されています。
3.1980年代以降に活躍したグループやデザイナーの作品から、「ラディカルな」デザインの動向を振り返ります
機能性や生産性を重視した従来のモダニズムとは異なり、1980年代頃から、「ニュー・デザイン(イタリア語でヌオーヴォ・デザイン)」とよばれた、多様な素材と歴史的要素を折衷した新傾向のデザインが隆盛しました。1981年、ソットサスはデザイン・グループ「メンフィス」を結成、型破りな家具を数多く世に送り出します。この新しいデザインの動きは、国際的なデザイナーの交流のなかで、ヨーロッパや各地に影響を与えますが、日本のデザイナーにとっても例外ではありませんでした。
ここでは、メンフィスの名作家具「カールトン」(1981年)とともに、倉俣史朗(1934-1991)や梅田正徳(1941- )らソットサスゆかりのデザイナーによる家具も展観します。
<主要出展作品(予定)>
1.タイプライター
「バレンタインS」 エットレ・ソットサス、1969年
2.照明
「One」「Thirteen」「Fourteen」「Fifteen」「Sixteen」「Twenty」「Twenty seven」 他
エットレ・ソットサス、1989年
3.家具
「カールトン」 メンフィス、1981年
椅子
「ヨセフ・ホフマンへのオマージュvol.2」 倉俣史朗、1986年
「月苑」 梅田正徳、1990年 他