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2025年9月8日(月)-10月26日(日)

別の山に登る──赤塚祐二

美術館 開催中

1980年代後半から本格的に絵画制作に取り組みはじめた⾚塚祐⼆は、「もの派」以降の抽象絵画を牽引しながら絵画表現の可能性を探究し、 現在に⾄るまで途切れることなく⼤作を発表し続けています。本展は大型油彩作品31点を中心に、版画、ドローイング、立体作品を含めた、初期から現在に至る⾚塚の制作活動の軌跡を辿るはじめての機会となります。絵の具を何層にも塗り重ねた厚みのあるタブローを、ペインティングナイフ、筆、布などで削り、こすり、拭き取る作業を何度も繰り返すことで重厚で豊かな表情が⽣み出された〈hana〉〈Canary〉シリーズ、絵画表現を模索するなかで、絵の具の量を減らした薄付きの画⾯にカラフルな⾊彩で構成された〈another mountain〉〈suspense〉シリーズを⼀堂にご紹介いたします。さまざまな可能性を秘めた創造への葛藤を、「別の山に登る」という言葉で表現する赤塚の画家としての道のりを存分にご堪能ください。

会期
2025年9月8日(月)-10月26日(日)
時間
11:00 - 19:00(土・日曜日、祝日、10月24日(金)は10:00-17:00)
休館日

水曜日

入館料

無料

会場

展示室3、アトリウム2

主催

武蔵野美術大学 美術館・図書館

お問い合わせ

お問い合わせフォームからお送りいただくか、下記までお問い合わせください。

武蔵野美術大学 美術館・図書館
電話:042-342-6003
Eメール:m-l@musabi.ac.jp

このたび武蔵野美術大学 美術館・図書館では「別の山に登る──赤塚祐二」を開催いたします。本展は本学造形学部油絵学科で教鞭を執ってきた赤塚祐二の教授退任を記念し開催される自選回顧展となります。
1980年代後半から本格的に絵画制作に取り組みはじめた赤塚祐二は、「もの派」以降の抽象絵画を牽引しながら絵画表現の可能性を探究し、 現在に至るまで途切れることなく大作を発表し続けています。本展は《hana 119111》 を皮切りに、初期から現在に至る油彩作品31点を中心に、版画、ドローイング、立体作品を含めた、赤塚の制作の軌跡を辿るはじめての機会となります。絵の具を何層にも塗り重ねた厚みのあるタブローを、ペインティングナイフ、筆、布などで削り、こすり、拭き取る作業を何度も繰り返すことで重厚で豊かな表情が生み出された〈hana〉〈Canary〉シリーズ、絵画表現を模索するなかで、絵の具の量を減らした薄付きの画面にカラフルな色彩で構成された〈another mountain〉〈suspense〉シリーズを一堂にご紹介いたします。

■見どころ
2006 年から2013 年にかけて発表された〈another mountain〉シリーズ。《another mountain》には、赤塚の故郷である鹿児島県の高千穂峰と桜島を彷彿とさせる、重なり合う山のようなかたちが描かれています。 1990年代前半の〈hana〉シリーズと2000年代前半までの〈Canary〉シリーズでは厚みを伴った巨大画面に大量の絵の具を用い、絵の具をつけては削り、つけては削り、試行錯誤を繰り返す過程を「別の山に登る」ことに重ねあわせ、変容を遂げるきっかけとなった要の作品でもあります。

「絵画を制作する過程を山登りに例えるならば、作品が完成した喜びとはすなわち目指す山頂に到達した喜びである。しかし登ろうとした山とは違う別の山に登ってしまったとしたらどうだろう。絵を描いているとそういうことが、よく起こる。いやむしろそうあってほしいと、嘆いている顔の下で密かに思っているふしがある。それは私の意図した行為と現実の間にあるズレによって引き起こされる。絵を描こうとすると意に反して画面に現れてくるものは私の思惑からズレる。それをカバーしようとしてまた描くが、またもやズレてしまう。それでは絵画はどこかにいってしまうではないかと思われるだろうが、完成するまでやめない覚悟で続けるだけだ。」*と語る赤塚。

何かをイメージして具体的なかたちを描くのではなく、まるで自身を取り巻くすべての要素を取り出す作業であるかのように、意図せず偶発的に表出した「なんとなく何かに見える」かたちを一貫して表現してきました。さまざまな可能性を秘めた創造への葛藤を、「別の山に登る」という言葉で表現する赤塚が画家として独自の境地を切り開いた道のりを存分にご堪能ください。

*「南九州の現代作家たち/Message-2007」展[図録]2007 年、都城市立美術館


■作家略歴
赤塚 祐二(あかつか・ゆうじ)
1955年鹿児島県生まれ。1979年東京藝術大学卒業。1981年同大学院美術研究科(版画研究室)修了。1999年武蔵野美術大学造形学部油絵学科教授。 1981年Galerie 412を皮切りに、コバヤシ画廊、ギャラリー米津、ギャラリー池田美術、村山画廊、鎌倉画廊などで個展多数。 1992年「現代美術への視点 形象のはざまに」東京国立近代美術館、1995年「視ることのアレゴリー 1995:絵画・彫刻の現在展」セゾン美術館、2003年「絵画の力 80年代以降の日本の絵画」東京都現代美術館、2012年「抽象と形態 何処までも顕れないもの」 DIC川村記念美術館など、国内外で数多くの展覧会に参加。
 


展覧会場風景写真

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撮影:佐治康生

見どころ

出品作品

関連情報

関連カタログ

別の山に登る──赤塚祐二

  • 発行年 : 2025
  • サイズ : 縦22.5cm×横15.8cm
  • ページ数 : 184ページ
  • 価格 : 一般 2000円 /本学学生・教職員 1000円

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