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2020年09月28日

図書館・イメージライブラリー:12月末までの開館について

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2020年09月17日

美術館にご来館されるみなさまへ

「脇谷徹 ― 素描ということ」展、「イラストレーションがあれば、」展を開催いたします。ご来館の際はこちらをご覧ください。
開館期間:9月21日(月)-10月24日(土)※日曜日は休館
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ニュース&トピックス

「美大生におすすめの本20選」Vol.5:圓山憲子教授

掲載日:2020年6月18日(木)

図書館

ムサビの先生方がお勧めする”美大生なら読んでおいてほしい本”、
第5回目は、教養文化・学芸員課程研究室の圓山憲子(まるやま のりこ)先生です。

「TRANSIRE SUUM PECTUS MUNDOQUE POTIRI」

圓山憲子教授(教養文化・学芸員課程)

圓山憲子教授(教養文化・学芸員課程)

4年に一度の世界数学者会議ICMが2022年にサンクトペテルブルグで開催されます。同市は、ロシアのかつてのレニーングラード、18世紀最大の数学者であるレオンハルト・オイラーが生涯の大半を過ごし、また近年ではコンパクト3次元多様体の幾何化予想の解決、その中でポアンカレ予想も解くという快挙を成し遂げたグレゴリー・ペレルマンが生まれ学び、2006年のICMでのフィールズ賞を辞退し数学界から姿を消し暮らしている所です。冒頭のラテン語の銘文はフィールズ賞のメダルの表面に、アルキメデスの肖像とともに刻印されています。
「己を高め、世界を捉えよ」。美術と数学の関係はコインの表と裏の関係と思われてなりません。表現者を目指すみなさんにとって、この言葉とともに推薦図書が内なる数学に出会うきっかけになることを願っています。

〈圓山先生のおすすめ本〉

解析概論

高木貞二著, 岩波書店, 1961

読み継がれてきた名著。大学学部初年次に学ぶ微分積分学。各ページを埋める数学の記号や式に圧倒されるかもしれませんが、どのように概念が構築されるのか、どのように理解されるのかに力点を置いて読んで(眺めて)みてください。高木貞二の著書として、『初等整数論』も内容や文章が美しいです。

ガロアの夢 : 群論と微分方程式

久賀道郎著, 日本評論社, 1968

1次、2次方程式の解の公式は、与えられた方程式の係数や定数から解を与える式で、お馴染みのものです。「3次以上の次数を持つ方程式でそのような公式はあるのだろうか」また、「あればどのような式になるのだろうか」というのは極めて数学的で根源的な問いです。ガロアが代数方程式の一般解を求めるために創始した群論を駆使して、鮮やかに5次以上の代数方程式の一般解は存在しない事を証明しています。ドクトル・クーガ、お見かけする機会はなかったのですが、その姿は行間から立ち上ってくるように感じます。これを読んで、4年ゼミの代数的位相幾何学(洋書)の被覆空間について、「ガロア理論ですね」と言った私は、着任したばかりのゼミの先生に生意気なと言われましたが、結局その先生の指導を大学院でも受けることになりました。思い出の本でもあります。さて、ガロア理論の成果は暗号理論を中心として現在も応用されている射程距離の長い理論です。

天書の証明

M.アイグナー, G.M.ツィーグラー著、蟹江幸博訳, 丸善出版, 2012

「いくらでも大きい素数がある」ことを最初に証明したのは、紀元前300年頃『原書』を著し初等幾何学を5つの公準、23個の定義、5つの共通概念を基礎に集大成したユークリッドです。この主張も原論に述べられています。当時からすでに数学的命題には証明することが必須になっていました。ユークリッドは背理法を用いて、仮に素数が有限個だったら、すべての素数の積に1を加えたものも素数になり、有限の仮定に矛盾すると述べました。とてもエレガントな証明です。その後この定理を新たな見地から証明可能であることが分かりました。これらをまとめた章から始まり、エルディッシュ自身のイラスト含めて美しい数学の書だと思います。

数学名所案内:代数と幾何のきらめき 〔上〕・〔下〕

G.トス著、蟹江幸博訳、〔シュプリンガー・ジャパン編〕, 丸善出版, 2012

訳者は、和歌山大学で長らく数学を教えた蟹江先生。推薦者も出版された蟹江先生翻訳のアーノルドの本に研究集会でサインをもらいました。数学の啓蒙・普及にも力を注がれ、翻訳も大変こなれた文章で読みやすく、『かにえラボ』と検索すれば、蟹江先生のHPで数学に関連する様々なトピックスを学ぶことができます。この上・下巻で、現代数学のハイライトが俯瞰的に理解できるないようになっています。数学の本を読むときは、一寸手を動かしてみるのが大切です。蟹江先生の翻訳は、原書に当たらなくちゃというストレスなしで読めます。

すべての人に数学を―対話・現代数学入門

小針晛宏著, 日本評論社, 1998

「いややわあ。コーはんいうたら、またケッタイな本書かはって。こんなケッタイな本、ようしりまへんえ。現代人の数学的素養として、これくらいは必要やア、いわはるけど、えらいむずかしとこもおますやン。第1夜、第2夜くらいやったら、うちかておつき合いできましたけど、代数のとこなんか、かなんかったわア。文科系のおひとやったら、せいぜい第4夜まででええのンとちがいますやろか。そやけど、理科系の数学の素養がすでに少しおありのお方やったら、おもしろがらはるかもしれまへんなア。そういうお方はとくに後半がよろしのとちゃいますやろか。とくに数学を専攻しやはる学生はんやったら、第8夜からさかさまに読んでゆく、いややわアあんさン、さかさまいうても、第8夜をちゃんとまっすぐに読んで、つぎに第7夜、第6夜と進むことやおへんかいな。そうしやはると前半の文科向きの所が、かえっておもしろうなるのンとちがいますやろか。そいから、証明がたんとおますけど、信ずる者は救われる、いうて証明のとこは、てきとうにトバシて、荒い読み方してゆかはりましたら、ラクどすえ。」
(著者の言葉です。推薦文は不要ですね)

確率・統計入門

小針晛宏著, 岩波書店, 1973

確率・統計の心がわかる本。京都大学教養学部在任中に40歳で早世した伝説の数学者の一人だと思います。確かに数式なしではないのですが、読むうちに文章から考え方、概念とそれらから生まれる手法が伝わります。一寸心が熱くなる本。”下手な鉄砲数うちゃ当たる”わかるかな~。

統計学入門

東京大学教養学部統計学教室編, 東京大学出版会, 1991

統計学を使う必要が生じたら、是非押さえたい一冊。考え方、手法、実例、演習問題により、統計調査を行う時にも必要な基礎が体系的に記述されています。さらに、自分の専門分野に応じた手法がシリーズとして揃っています。統計学ソフトウェアのユーザーとしてのリテラシーが高まり、実力を付けるために役立つでしょう。

幾何再入門

G. ジェニングス著、伊理正夫・伊理由美訳, 岩波書店, 1996

ユークリッド幾何、非ユークリッド幾何、相対論の幾何まで、応用が意識され、具体例を通して多角的な視点からトピックス(CGや地理情報システムも)が扱われています。幾何ってこうだったのね!と思えたらベストです。

数学:パターンの科学―宇宙・生命・心の秩序の探求

キース・デブリン著、山下 純一訳, 日本経済新聞出版, 1995

数学とは何か?歴史と現在の広がりの両面から数学のエッセンスを伝いたいとの願いを以て、一般の読者に向けて著されています。数学、パターンの科学は世界をみる方法の一つとして捉えられています。計算、推論と伝達、動きと変化、形、対称性と規則性、位置という6つのパターンについて、時を遡り、現在までどのように人は認識を深めて来たのかを知ることができます。扱われるトピックスは多彩ですが、つなぎ目がとても円滑で、リズムがあり、わくわくするようなスピード感もあると思います。デブリンは、数学の啓蒙家として筆の立つ数学者で、TVドラマ「Nmb3rs」の数学的な解説本も著しています。原書も大変読みやすく、面白いので、お薦めします。

自然の中の幾何学 : みつばちの巣から宇宙論まで

V. L. ハンセン著、井川俊彦訳, トッパン, 1994

幾何学を通して自然界を理解することを目的にした読み物。自然界の幾何学模様、トポロジー、カタストロフィー、幾何学と物理的世界、幾何学と現代物理学が採り上げられています。図も多く、数式や記号が無理なく理解できる筆致です。物理学との関わりはとても分かり易いと思います。

トポロジーへの誘い : 多様体と次元をめぐって

松本幸夫著, 遊星社, 2008

多様体のトポロジー研究の急激な展開は1950年代以降、60年代には5次元以上の多様体研究が進展し、70年代に低次元(3,4次元)にシフト、80年代にゲージ理論を応用した4次元多様体論が進展、量子不変量を用いた3次元多様体の研究が興隆しました。2000年代には、ペレルマンによるポアンカレ予想の解決。松本先生は特に4次元多様体研究をリードした世界的な研究者です。多様体のトポロジーの”超入門書”と書かれているように、次元によって多様体の性質が劇的に変化する様子を伝えることに重きが置かれています。明晰な文章で多様体の物語が綴られています。

不変量と対称性 : 現代数学のこころ

今井淳、寺尾宏明、中村博昭著, 筑摩書房, 2013

トポロジー、代数幾何、整数論の研究者が、現代数学で利用される不変量につて、身近な題材を駆使しながら7つのレクチャーで展開します。読み終えた頃には、通底する「現代数学のこころ」が感覚として理解できるようになると思います。例えば、最後のレクチャーでは、良く知られた三角形が現代的な不変量を通し、モジュライ空間という枠組みでみると何が起こっているのかが広がりのある概念空間の中で明らかにされていきます。「数学は、現象の発見から新たな枠組みの創設まで、いろいろな段階をスパイラルのようにのぼって発展して来ましたが、その階段は21世紀を迎えた今日でも、まだまだ上に続いているのです」と終わりの言葉で結ばれています。

「有限群」村の冒険 : あなたは数学の妖精を見たことがありますか?

宮本雅彦著、大石容子挿絵, 日本評論社, 2006

群は、2項演算で閉じ、単位元と逆元の存在、演算の結合法則を満たす集合ということができます。要素の数が有限の時に有限群と呼ばれ、そうでない時は、無限群。正三角形、一般に正多角形の対称性の群は有限群の例です。有限群の研究者が書いた冒険ファンタジー、大石容子氏によるイラストが親しみやすさを増幅しています。鉛筆片手に楽しんでください。

数学する精神―正しさの創造、美しさの発見

加藤文元著, 中央公論新社, 2007

「人間と数学」、「記号と意味」を主要テーマに、ある時は主旋律として、またある時は通奏低音として「数学そのもの」についての思索が音楽のように編まれています。「美しさ」、「正しさ」、「数学的真理」に対する感覚が「数学という人間の創造的行い」において重要な要素であるとし、一方で「感覚的な議論」をいくら積み重ねても数学にはならないとあります。本書の『正しさの創造、美しさの発見』という副題は、筆者の優れた数学者としての力量と素養に裏打ちされたものであることが感じられると思います。

「理科」「数学」が好きになる楽しい数理実験

高木隆司著, 講談社, 2008

本学の講師として、高木先生は、実験を通して現象の数理を理解することを授業で展開されていました。「形の科学」、「形の文化」といった広い視野で裏打ちされた本書は、そんな授業を体験できる本です。ものをつくることをいとわない本学の皆さんには、是非お勧めしたい一冊です。

江戸のセンス

荒井修、いとうせいこう著, 集英社, 2009

荒井さんは浅草生まれの扇職人。いとうせいこうさんが、江戸職人の「発想」と「美意識」を引き出していきます。ぐいぐいとその世界に引き込まれます。数学と関係なさそうに思うかもしれません、ところがどっこい!是非読んでそのことを発見していただけたらと思います。

数理科学美術館

森川浩著, 工学社, 2005

数学や物理の世界で。美しいと思えるもの、とくに視覚的に美しいと思えるものを集めたと,morigonと呼称する著者の弁。付録のCDを使って、皆さん自身の手で数学や物理の世界のビジュアルを楽しむことができます。

無限を読みとく数学入門 : 世界と「私」をつなぐ数の物語

小島寛之著, 角川学芸出版, 2009

数学科から経済学への道を進んだ著者が、「数学、哲学、文学、経済学を横断し、遥かギリシアから現代へと駆け抜ける、無限迷宮をめぐるスリリングな旅!」へと皆さんを誘います。20世紀始めの数学が遭遇した危機の所は是非目を通して頂きたいところです。著者の他の著書もフィーリングが合えば是非読んで頂けると嬉しいです。

映像のフュシス

三浦均著, 武蔵野美術大学出版局, 2020

物理、数学、情報、ちょっと哲学っぽい話、詩や小説など、多様な分野を「感じさせる」筆致で世界の広がりと奥行が語られています。

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