布施茂
建築学科研究室
私の武蔵野美術大学での恩師である坂本一成氏(東京工業大学名誉教授)の著書「建築に内在する言葉」は、現代における建築の意味を問う、40年にわたる研究と設計活動における思考の過程を綴った論考集である。本年度の日本建築学会著作賞を受賞した著書であると同時に、この本の出版人で、本学卒業生であるTOTO出版の遠藤信行氏は、本年度の日本建築学会文化賞を受賞されている。
表紙画像は紀伊国屋書店BookWebのものを使用しています。
北徹朗
身体運動文化研究室
私が大学1年次(体育系大学)の一番初めにレポート課題とされたのがこの本。児童文学?と正直はじめは思ったが、現代社会に生きる私たちに様々な示唆を与える作品である。「時間貯蓄銀行」から来た灰色の男たちによって人々から時間が盗まれ、皆の心から余裕が消えて行く。不思議な力を持つ少女モモが、奪われた時間を取り戻すというストーリー。読むたびに色々なことを感じさせてくれる。1986年には映画化もされている。
表紙画像は紀伊国屋書店BookWebのものを使用しています。
稲垣遊
日本画学科研究室
助手
絵画を出発点としたさまざまなアートの読み書き(鑑賞)について、その足がかりとなるキーワードを列挙し、具体例を示しながら解説している。美大の学生・教職員という立場でありながら美術の歴史や思想に疎かったりすると、自分や他人の作品について語ることにプレッシャーを感じがちだが(私のことですが)、本書ではまずは手持ちの言葉で、自分なりの角度と深さを持って作品に踏み込んでいくことが目指されている。