著者
寿岳文章
出版者
出版ニュース社
朝日新聞社(初版)
出版年
1973年
1949年(初版)
江島快仁
美術館・図書館
英文学者であり書誌学者であった著者による書物論は、初版から半世紀以上経過した現在でも色褪せていない。過剰な装飾が施された書物が世に氾濫する中、書物の在り方について物質的且つ形式的側面から独自の理論を展開している。B6判に対して10ポイントの本文は今日では些か大きい印象だが、初版は12ポイントであり、著者のこだわりが伺える。初版の美しい本文書体は現在「たいら」という名で商品化されている。
野口克洋
言語文化研究室
英語が「国際共通語」として使用されることは、当然なことでしょうか。なぜ英語は世界に広まったのでしょうか。英語が世界に広まった結果、見えなくなってしまったものがあるのではないでしょうか。これらの疑問を抱いたことはありませんか。答えを見つけたい人は、まずはこの一冊。
大坪圭輔
教職課程研究室
現在の学習指導要領では、日本の美術文化についての指導が一層強調されている。その中で「民藝」は、中学高校における教育素材としての価値も高まっている。本書は『柳宗悦全集』に収められているもの以外に文庫本もあるが、柳宗悦が手仕事を見つめることで我が国や郷土をいとおしんだことと、改正教育基本法の「教育の目標」に示されている「我が国と郷土を愛する」の文言の意味を、はたして同じく考えてよいのだろうか。