展覧会「民具のデザイン図鑑—くらしの道具から読み解く造形の発想」関連ワークショップ じっくり観察!民具に探る“デザインの素”
掲載日:2023年2月26日(日)
民俗 レポート
民俗資料室では、展覧会「民具のデザイン図鑑—くらしの道具から読み解く造形の発想」の関連ワークショップとして「じっくり観察!民具に探る“デザインの素”」を開催しました。
表題にある民具とは、人々の暮らしの中で理にかなった造形として生み出されたものです。
本展は民具の素材や造形と、生活の中で育まれたデザインから、造形の発想=「デザインの素」を見出すことを意図しています。解説を主体とした受動的な展示ではなく、来場者の積極的な観察を促す参加型展示として構成いたしました。
本ワークショップでは会場で気に入った民具を選んでスケッチできるコーナー「ムサビミングスケッチ」を利用し、民具のスケッチを取りながら細かな部分を観察し、参加者同士で共有します。民具に親しんでもらうことで、民具に対する多様な見方と楽しみ方を身につけてもらうことを目的としています。
美術館の第10講義室のほか、展示会場である展示室1、13号館2階民俗資料室ギャラリーにて行われました。
講師は本展の監修者である本学教養文化・学芸員課程研究室の加藤幸治先生です。
まず加藤先生より、持参した民具を用いて民具の見方に関する説明がありました。例えば、バラモン凧と松川だるまの共通点について。バラモン凧の上段、中断は描くものが決まっていますが、下段は制作者によって変えることができます。同じことが松川だるまにも言えます。松川だるまの場合、顔周辺の描き方は決まっていますが、顔の下は制作者によって異なります。民具をじっくり観察することで、それぞれの共通点や製作の工夫が見えてきます。
説明後は、展示会場にて参加者に選んだ民具をスケッチしていただきました。皆さん、集中して民具をスケッチされていました。
最後に美術館の第10講義室に戻り、参加者が描いたスケッチを順番に説明し、スケッチと民具の画像をもとに加藤先生よりコメントをいただきました。人によって注目する所が異なるため、新たな気づきにつながります。民具の造形的な面白さ、デザイン性など、それぞれが新たに気づいた民具の魅力をお互いに共有し、ワークショップは終了となりました。
参加者の皆様、ありがとうございました。
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武蔵野美術大学 美術館・図書館 民俗資料室
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