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2019年5月20日(月)〜2019年6月16日(日)

内⽥あぐり —— 化身、あるいは残丘

美術館 終了

絵画において⼈間の存在を示すものとは何かという根源的な問題を探るなかで、新たな⽇本画の可能性を提示してきた内田あぐり作品。本展では、身体をめぐる絵画考から展示空間へと立ち現れた⼀つの残丘ともよべる新作を核に、人物の情念を発する濃密な初期の具象作、抽象表現により⾝体のリアリティに⾁迫した2000年前後の大作、そして空間を圧倒する世界観を放つ近年の大型作品などを展示し、その絵画表現に接近する。

会期
2019年5月20日(月)-2019年6月16日(日)
時間
10:00-18:00(土曜日、特別開館日は17:00閉館)
休館日
日曜日
※6月16日(日)は特別開館
入館料
無料
会場
武蔵野美術大学美術館 展示室3・4、アトリウム2
主催
武蔵野美術大学 美術館・図書館
協力
武蔵野美術大学 日本画学科研究室
監修
内田あぐり(画家/武蔵野美術大学日本画学科研究室教授)

特別協力   水沢勉(神奈川県立近代美術館 館長)


本展の図録は、国書刊行会より発行されます。
詳細は以下のURLをご覧ください。
https://mauml.musabi.ac.jp/news/15093/

 

お問い合わせ

お問い合わせフォームからお送りいただくか、下記までお問い合わせください。

武蔵野美術大学 美術館・図書館
電話:042-342-6003
Eメール:m-l@musabi.ac.jp

 現代日本画を代表する作家のひとりである内田あぐり(1949 )は、身体をテーマに圧倒的な世界観を放つ作品を描き、新たな日本画の可能性を示してきました。

 本展では、内田あぐり作品の深部にある絵画表現の本質とその魅力を紹介します。展示では、新作を含めた近年の代表的な日本画作品を中心に、約20 点を出品します。美術館の3 つの展示空間を活かして、空間全体を圧倒する挑戦的な近年の大型作品を展開する一方で、情念を発する初期の濃密な具象作品を対比的に配することで、ダイナミックで緊張感ある作品空間を作り出します。また初期1970 年代から現在に至るまで時代を追いながら、絵画表現の原質を示すようなドローイング100 点以上展示し、その筆致から内田作品の全体像を概観します。

 会場には、90 年代後半以降の大型作品を中心に、絵画表現をめぐり身体の解体と再構築(再生)を繰り返すことで、その周囲を漂う気配や情念など精神的なもの、または空間や時間など人の存在を認識させている概念的なものを、挑発的に取り込むような圧倒的存在を感じさせる作品が並びます。さらに本展で発表する新作は、これまで積層されてきた内田あぐりの絵画考による化身として、眼前にその姿を現した一つの「残丘」ともよべる作品となります。

※本展は内田あぐり教授の退任記念展として開催します。

見どころ


<展示構成>
Ⅰ−
化身、もしくは絵画として
身体の外部と内部をめぐり非具象的な表現へと展開することで、身体のリアリティに肉迫していく1990 年代後半以降の内田あぐり作品。そこに描かれた躯幹は、肉体の輪郭(外部)と性質あるいは情念(内部)の形質を探るなかで、人間存在そのものを示すひとつの「化身」として、その姿を現します。展示では点数を絞り、肉体が圧倒的な存在感を放つ個々の作品に焦点をあてることで、緊張感ある空間を生み出します。画面のなかで切断と縫合によって再出された身体のフォルム、膠で溶いた顔料を塗り重ねながらも削られた絵肌、これら肉体の内部を刳りだすかのような絵画表現は、身体の深部にある人間本性を触知させます。解体と再構築を重ねるなかで確立した、現在の内田作品へと繋がる表現法を見ることができます。

Ⅱ−
あるいは空間を織りなすもの

新たな表現法を積極的に取り入れながらも、日本画技法に根ざした水平の画面を連接させることで描きだした近年の大型作品は、絵画表現として現代日本画の新たな可能性を示してきました。展示では、仕切りのない400 ㎡弱の展示スペースを最大限に活かして、空間を圧倒する2000 年以降の代表的な大型作品を中心に構成します。身体を象る視線の分解と再構成を繰り返し、絵画的経験として多次元的に画面を織りなすことで、絵画あるいは人の存在を示すものとして、その地平を見せます。


Ⅲ−
残丘、立ち現れるもの

美術館の象徴的なアトリウム空間では、平原に垂直に立ち現れたひとつの残丘として、形象化した高さ7m の新作を展示します。内田作品に伏流する人間存在とその表現の応答によって重層する絵画考の化身として、積翠なる作品の姿態を現します。また、その片隅には小さな最初期の自画像も対置します。この二つの作品によって生まれた空間は、一つのインスタレーションとして、内田作品の躯幹に通底する絵画表現の本質的なるものの存在を感じさせます。

ドローイング・クロノロジー

1970 年代から現在まで、どのように絵画が生み出されてきたのか、その核であり続けるドローイングを通覧し、その筆致から内田作品の絵画表現における原質とその世界観をたどります。ドローイングを描くことで身体的な記憶として内在化した形象は、「手の思考」として内田作品の源泉となっています。一方でドローイングは、単なる下図としてだけでなく、モチーフと対峙したときの情調を純粋に留める、あるいは描くことでそこに現れた形象を瞬刻に陶冶するものとして、絵画表現の本質に接近する作品でもあります。

出品作家紹介

内田あぐり(うちだ・あぐり):

1949 年東京に生まれる。1969 年武蔵野美術大学日本画学科入学、1975 年同大学院日本画コース修了。同大学に在学中から新制作展、創画展に入選するなど早くから頭角を現し、1975 年創画会賞(87 年、91 )1993 年第12 回山種美術館賞展大賞、2002年第1回東山魁夷記念日経日本画大賞など多数受賞を重ね、現代日本画家を代表する一人となる。今日まで一貫して「身体」をテーマに、絵画において人間の存在を示すものとは何かという根源的な問題に向き合う一方で、古典的な技法だけにとらわれず様々な表現方法を先鋭的に用いた作品は、現代絵画として新たな日本画の可能性を切り拓き続けている。

出品作品

関連情報

関連カタログ

内田あぐり――化身、あるいは残丘

  • 発行年 : 2019
  • サイズ : 縦22.2cm×横15.0cm
  • ページ数 : 272ページ

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