”美大生なら読んでおいてほしい本”、
今回は工芸工業デザイン学科研究室の太田琢人(おおた たくと)助手です。
「我々はどこから来たのか, 我々は何者か, 我々はどこへ行くのか」
ドラゴンボールの精神と時の部屋があれば何でもできると思ってました。急とはいえ実際に時間を与えられてみると人って何していいか分からなくなるものですね。とりあえず育てている植物と魚の観察の時間を少し長くしてみました。すると、葉っぱが形成する過程や魚のルーティンのような細かな事に気が付くんですよね。そんな小さな変化や行動が空間へ影響を与えていてこの世界を構成していると考えるとわくわくしますね。それはコロナウイルスも同じです。目に見えなくても実際に存在していて私たちと世界を共有しています。いや、そもそもここでいう「私たち」も無数の細菌で構成された一つの生態系であり、意識はその細菌一つ一つの細かな変化や行動からきてるのでしょう。そんな細菌も何かで構成されていて…。なんて考え始めるときりがないですね。いくら時間があっても足りないです。やっぱり精神と時の部屋を改めて欲しいなと思い直しました。
〈太田助手のおすすめ本〉
スペキュラティヴ・デザイン : 問題解決から、問題提起へ。 : 未来を思索するためにデザインができることアンソニー・ダン, フィオナ・レイビー著, 千葉敏生訳, 牛込陽介寄稿, ビー・エヌ・エヌ新社, 2015 |
私のデザイン観や思考を変えた一冊 |
Art since 1900 : 図鑑1900年以後の芸術ハル・フォスター[ほか]著, 尾崎信一郎[ほか]編, 東京書籍, 2019 |
1900年以降の現代アートがほとんど網羅されているいかつい一冊 |
森は考える : 人間的なるものを超えた人類学エドゥアルド・コーン著, 近藤祉秋, 二文字屋脩共訳, 亜紀書房, 2016 |
人類学に興味がある人におすすめの一冊 |
川合健二マニュアル川合健二著, 中谷礼仁, 儀部真二, 北浦千尋編, 編集出版組織体アセテート, 2007 |
好きな建築家の一冊 |
形の全自然学ランスロット・ロウ・ホワイト編, 斉藤栄一訳, 工作舎, 1985 |
かなり難解だが世界観広がる一冊 |
一九八四年〔新訳版〕 *1ジョージ・オーウェル著, 高橋和久訳, 早川書房, 2009 |
社会に対する視野を広げる一冊 |
社会学史大澤真幸著, 講談社, 2019 |
社会学の歴史を分かりやすく解説してくれている一冊 |
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション浅野いにお著, 小学館, 2014- |
侵略者と日常が同居したSF漫画で作画や制作背景もおもしろい一冊 |
ARZAK : l’arpenteur *2メビウス著, MOEBIUS PRODUCT, 2010 |
日本の文化に多大な影響を与えた一冊 |