著者
中村 牧江・林 健造 (著), 福田 隆義 (絵)
出版者
福音館書店
出版年
1997年
前田奈津子
美術館・図書館
本書に出てくるのは、どこにでもある1本のナイフだけ。そのナイフが、言葉とともに次々に形を変えていく不思議な絵本。
ふしぎなナイフが、まがる。
ねじれる。
おれる。
われる。
とける。
きれる。
ほどける…。
ちぢんで…ふくらんで……。
テーブルの木目はひとつひとつ丁寧に描写され、ナイフはまるで手に取れるかのよう。
ナイフが次にどんな姿で登場するか、ぜひ想像してページをめくってみてほしい。
表紙画像は紀伊国屋書店BookWebのものを使用しています。
古賀祐馬
美術館・図書館
ハードコア(≒パンク)が生まれ、進化(深化)したアメリカ80年代。その精神を視覚的に世界へ発信したレイモンド・ペティボン。彼の兄率いるBlack Flagの黒旗ロゴはもはや象徴である。同時に数多くのフライヤーやレコードジャケットも手掛け、その作品はまさに音の分身。コミックタッチのペン画から生まれる体制への批判、皮肉は時に見る者へ恐怖心すら与える。Black FlagのTシャツを着て街へ出る前に見ておくべき。
表紙画像は紀伊国屋書店BookWebのものを使用しています。
圓山憲子
教養文化研究室
放浪の天才数学者P.エルディッシュに捧げられた本書には、『きらめくようなアイデア、鋭い洞察や素晴らしい観察』がぎっしり。数学的発見は勿論大切だが、証明そのものが重要であると考えられている。素数が無限にあることの6つの証明から、グラフ理論を応用した美術館の守り方など。数学的図式に理解を助けられ、様々なイラストも楽しむことができる。数学の天書には、今もなお新しいページが綴られているに違いない。