太田英輝
美術館・図書館
ドイツのフォントメーカー、ライノタイプ社(2013 年 3月よりモノタイプ社に改称)で活躍する著者が、ヨーロッパの街角で撮影した写真をもとにフォントについて解説する入門書。まるで旅行ガイドのように楽しく読めて、知識も身につく。ルイ・ヴィトンのロゴやルーブル美術館のサインから、マイケル・ジャクソン「THIS IS IT」のフォントまでが取り上げられていておもしろい。巻末に欧文組版の参考図書リストあり。著者はムサビのOB。
古賀祐馬
美術館・図書館
CRASSは1977年に英国で結成されたパンクロックバンドである。しかし、その表現方法の多さゆえ、“創造集団”と呼ばれるべきかも知れない。コラージュ、映像、パフォーマンスなどその媒体は様々で、且つユーモアと皮肉に溢れている。また、特筆すべきはそのDIY精神の実践である。今では自主レーベル設立など珍しくもないが、彼らはその先駆者であり、大きな手本となった。
少し違う角度からの美術史として読むと、非常に面白い一冊である。
加藤徹志
美術館・図書館
言わずと知れた旅人のバイブル的名著。
平野甲賀による力強い描き文字の装丁が、より一層旅心を誘う。インドのデリーからイギリスのロンドンまで乗合バスのみで旅をする著者自身の紀行となっており、最初に刊行されてから30年近く経過した今もなお描かれる情景は色あせていない。
著者は旅に出る年齢として「26歳」に拘ったが、まだそこまで偏った固定観念がなく、柔軟に見聞を広げられるという観点での年齢設定だったのだろうと納得がいく。
旅から学ぶことは多い。若いうちによい旅を。