制作者
マルグリット・デュラス
制作年
1974年
狩野 志歩
美術館・図書館
イメージライブラリー
デュラスの小説を原作とする映画は何本かあるが、自身が監督した映画は「異種の映画」と呼ばれ映画史の潮流から逸脱した特異な作品として知られる。植民地時代のインドの仏大使館を舞台にした愛の物語は、画面の外からの「声」によって語られる。登場人物は一様に口を閉ざしたまま、彼らの会話すら音でしか認識できない。映像と言葉の常識的な関係を無効化しつつ、室内の鏡を使った複雑な構図や窓から差し込む薄明の美しい光、囁くような複数の声、これらの完璧な調和が映画でなければ到達し得ない表現の領域であることを証明している。
制作者
Peter Fischli & David Weiss
制作年
1987年
渡辺真太郎
デザイン情報学科研究室
助手
1987年ドクメンタ8出品。様々なエネルギーの作用によって連鎖反応を起こし、刻々と変化していく日常的な事物の運動を約30分間に及び記録した映像作品。
意図的なモノの誤用とその掛け合わせによって、私たちの日常に潜むありきたりな世界の意外で豊かな側面が浮かび上がる。
デザイン、アートどちらを学ぶ学生にもお勧めのイマジネーション溢れる作品。
田中正之
造形文化・美学美術史研究室
原書が1983年、翻訳が1987年の刊行。ポストモダンが最も盛んに論じられていた時代に、その基本的な論考をまとめた論文集で、芸術におけるポストモダンニズムを知ろうとするならば真っ先に読むべき本。モダンの何が批判されて現在の芸術が準備されていったのかを知るために読むのも重要だが、現在ならばポストモダンニズムを批判するために読むこともできるだろう。