著者
小野玄妙編
出版者
大藏出版
出版年
1932-1934年
朴亨國
造形文化・美学美術史研究室
今日、希に見る仏像ブームが起きている。それに便乗し、仏像の形や意味などを謎解きのように解説した書物が世の中に氾濫している。「不思議」、「ひみつ」などのタイトルで、読者の知的好奇心をそそる書物も多く眼にするが、それらの書物の種本となっているのが本書である。図像について「真理は文字や言葉を借りて初めて顕わしうるものであり、色・形によって初めて知ることができる」といった弘法大師の言葉を密かに感じてほしい。
富松保文
教養文化研究室
原著が出たのが1985年、晶文社から翻訳が出たのが1992年。著者は映画『レナードの朝』の原作者ですよと言えば、結構な数の学生があああれかと頷いていたが、最近では映画を見ている学生も少なくなった。30年近く前の本だから、医学的には古くなってしまった部分もあるだろう。が、それとは別に、古びることのないものがあることを教えてくれる。最近文庫化されているのを知った。ぜひ、どうぞ。
著者
竹内敏晴
出版者
筑摩書房
出版年
1988年
富松保文
教養文化研究室
ことばについて書かれた本は山のようにあっても、語るということについて書かれたものは意外にも少ない。上手に語るとか、易しく語るとか、そんなことが問題なのではまるでない。
耳を病み声を失った著者が、からだをとおして語ることを、そして語ることをとおして他者を取り戻すまでの自伝的著作。
著者はこのあとたくさんの本を書くことになるが、後にも先にも、とにかくこの一冊。