制作者
デビッド・ブレア
制作年
1991年
佐々木友輔
美術館・図書館
イメージライブラリー
どん欲な映画だ。カインとアベル、テクノロジーとオカルト、仮想現実、踊る蜜蜂、原爆実験、湾岸戦争がもたらした新たなメディアイメージといったモチーフがあらゆる映像技術を駆使して高密度に圧縮され、映画という枠組がギシギシ軋み揺れる。いまや郷愁すら感じられるヴィデオの手触りや衒学的な装いに惑わされてはならない。情報環境の拡大によって映画という制度の自明さが突き崩されつつある今こそ再考されるべき作品である。
著者
舘石昭
出版者
水中造形センター
出版年
2003年
加藤徹志
美術館・図書館
日本を代表する水中写真家であった舘石昭による作品集。
ただ眺めていても美しい写真だが、その撮影技術の高さが特筆に値する。
被写体としてとらえることすら難しい小さく機敏な生物を鮮やかに写しだす技術もさることながら、外洋における不規則かつ激しい潮流のなか、中性浮力を保ちながら寸分のブレもなく撮影するテクニックは驚異的である。
著者
マイケル・バクサンドール
出版者
平凡社
出版年
1989年
岩崎友明
美術館・図書館
契約書で絵の具の種類を指定され、風景の表現にまで依頼主の要望が及ぶこともある……表現する自由が画家になかった時代、それがルネサンスだった。本書と接すれば、これまで当たり前に「美しい」と思っていた当時の作品が、実は画家の感性のみから生み出されたものではなかったということに気づく。慣習、詩、演劇、舞踏などの要素が織りなす「型」がまず存在し、その枠組を超えて滲み出るものこそが「美しい」ものと考えられていた。