著者
猪熊弦一郎(著)
大倉舜二(写真)
出版者
文化出版局
出版年
1984年
寺原芳彦
工芸工業デザイン学科研究室
デザインの本は幾多あり、特段推薦する本は思い当たらず、今回は古くから親しくさせて頂き、又、影響を受けた猪熊弦一郎の本を紹介する。氏はもとより小磯良平と芸大の同期で日本を代表する画家だが、絵画ばかりでなく彫刻、デザインへも挑戦してきた。ニューヨーク在住中はイサム・ノグチ、チャールズ・イームズなど多くの巨匠たちとの親交も深く、そういった話を聞くのが楽しみであった。それら多くの巨匠たちの共通点が、世界の比較的小さな伝統的道具の蒐集であり、猪熊弦一郎宅にも独自の視点によるコレクションが多くある。本書はそれらに解説を交えた写真集である。実に面白く、私は息抜きの本として何度も見ている。
金子伸二
通信教育課程研究室
東映・京都撮影所の大部屋俳優にして「二万回斬られた男」福本清三さんへの聞き書き集。「俺は偉い」「私って素敵」と言い張る成功人生論とは対極の、恥ずかしく、情けなく、しょうもないエピソード満載。真冬の池に浸かっても、首から地面に落っこちても、ガッツ石松に殴られても、一度でも休んだら仕事が貰えない。すべては映画のため、そして家族のご飯のため、今朝も撮影所の掲示板の前に立つ。フクちゃん、カッコイイ!
著者
千種掃雲
出版者
日本放送出版協会
出版年
1992年
猪又正弥
美術館・図書館
千種掃雲(ちぐさ・そううん)を「洋草花譜」の画家として知る人は多いが、近代の日本画史において画業の全体が顧みられることはほとんどなかった。本書はその画家を知ることができる数少ない資料のひとつである。彼を中心とした活動は国画創作協会に先んじていたが、過渡的な時期であったが故に主流になることはできなかった。しかし、その作品は現代においても見劣りのしない新しさを持っている。