本庄美千代
美術館・図書館
本書は、イギリスの江戸美術史研究家タイモン・スクリーチが18世紀後半の時代に焦点を当てた「科学的凝視」をめぐる江戸の視覚概念について、独自の視点で解き明かした研究書である。長崎のオランダ商館を通してもたらされた洋学や視覚装置は江戸の人々の科学と凝視の概念にどのような影響を与えたか。
西洋の実験機械装置、望遠鏡、顕微鏡、覗きからくりなどの見えないものを見る視覚装置は江戸の人々の心と目を虜にした。西洋の科学的凝視が江戸の視覚文化に精神的な新概念を生み出したとする美術史論。
著者
ヘンリー・ペトロスキー著
忠平美幸訳
出版者
平凡社
出版年
1995年
太田英輝
美術館・図書館
「形は機能にしたがう」というデザインの定説に対して、本書の著者は「形は失敗にしたがう」という説を提唱する。先行するモノの失敗(欠点)がどのように改良され現在のデザインに至ったかを、フォーク、クリップ、ポストイット、ファスナーからマクドナルドのハンバーガーの容器まで、豊富な事例で紹介。私たちが日常生活で使用するものばかりのため、エピソードのひとつひとつがとても興味深い。
加藤徹志
美術館・図書館
まず、第一声は「懐かしい!」
必ず誰もが目にしたことがある食料品や家電、生活用品から玩具に至るまで、古くから親しまれてきたヒット商品28点のパッケージ、プロダクトデザインを時系列に解説している。
デザインの変遷だけでなく、商品毎にコラムが掲載されており、開発秘話や豆知識、時代背景までも知ることができる。
歳を重ねる毎に読み応えが出てくる1冊。