齋藤啓子
視覚伝達デザイン学科研究室
この本は5つの大陸を俯瞰しながら世界の民族の多様性の謎をひとつひとつ解いていくところが新しい。私たちがどうしようもなくこの地球の上に存在し、地形や気候や動植物(ウイルスにいたるまで)と運命をともにしてきたこと、食べ物や住処や身ぶりや言葉や侵略につながっていくこと。わくわくしながら読み進めてほしい。そしてこれからの未来を考えよう。名著「栽培植物と農耕の起源」を合わせて読むことをお勧めします。
著者
永瀬清子
出版者
思潮社
出版年
1990年
豊泉綾乃
版画研究室
助手
誰でもそれぞれ事情があり、制作を続けていくことが難しい時がくることもある。何をも成さないことに焦ったりする。しかし私は永瀬清子さんの言葉から、日常の、また時には抑圧された生活の中に詩があることや地に足のついた地道な生活の強さ、女性作家の信念を学んでいる。永瀬さんの作品には装丁も美しい詩集や短章集もあるが私が初めて手に取ったこの本を推薦します。
著者
池上秀畝
出版者
京都書院
出版年
1988年
猪又正弥
美術館・図書館
今ではあまり顧みられることはないが、池上秀畝は、堅実な画技をもって明治から昭和を生きた日本画家である。1988年に練馬区立美術館で企画展が開催されている。
少々の古色を帯びながらも描き残された植物や動物などからは、表現の土台をこつこつと蓄え続けた画家の目を感じることができて興味深い。博物図譜とは異なるものではあるが、比べてみるのも面白いかもしれない。