髙橋佳子
デザイン情報学科研究室
この本を子供と一緒に最後まで読むことをお勧めしない。一見、子供が好きそうな色とりどりなきのこたちが、頁狭しと実物大で紹介されている。しかし、まるで動物図鑑の最後にその動物の調理法が記されているかのような衝撃。キノコのフォルムが好きな方も、キノコを食べるのが好きな方にも是非最後まで見ていただきたい一冊。
増田悠紀子
デザイン情報学科研究室
本書は、イコノロジーの創始者であるアビ・ヴァールブルクが精神に異常をきたし療養を余儀なくされたところから始まる。ヨーロッパのイメージの情念(パトス)を、彼自身の混乱と錯乱を通して読み解いていく。ヴァールブルクの研究を通覧することもできる良書。
増田悠紀子
デザイン情報学科研究室
14歳の少女に心を奪われた中年男性が、奇妙なユーモアで語りだす回想録。思春期の少女に翻弄される滑稽な男の物語であるが、見方を変えれば男たちに人生を狂わされた少女の物語でもある。物語の終盤、主人公の独白(リメイク版の映画にも使用されたそう)に心が洗われるのはこの物語が確かに純粋な恋愛小説だということに気づかされるからだろうか。
ロリコンという言葉を忘れて、小説版・映画版ともに味わってほしい作品。