著者
遠山 啓
出版者
岩波書店
出版年
1959年・1960年
入江剛史
建築学科研究室
たし引きなどの普段の生活の中で当然のように使われている計算をはじめ、中学や高校の数学の授業では習わないようなエピソードや歴史的背景をまじえて公式や定理がわかりやすく解説されている。
現在使われている10進法やマイナスなどの考え方が試行錯誤をくりかえし、まるで言葉遊びのように生み出されていく過程を楽しみながら数学の魅力に触れることができる。
山本麻璃絵
彫刻学科研究室
最近くまモン、リラックマといった熊のゆるキャラを目にする事が多いけれども、この本に出てくる熊は全くゆるくない。太古から畏敬される存在であった熊が中世の〈百獣の王〉争いでライオンに敗北し、その後〈悪魔の生き物〉と貶められ続け、近代に〈テディベア〉として返り咲く、象徴の復活劇が話芸巧みな歴史家によって綴られている。
人を殺しえる熊が何故かわいいとされるのか。〈イメージ〉を扱う重さを、熊に教わる。
太田英輝
美術館・図書館
「江戸しぐさ」とは江戸時代の商人の間で語り継がれた“傘かしげ”や“こぶし浮かせ”などの公共マナーで、CMやポスター、学校教育などでとりあげられて広まった。平成26年度の文部科学省作成の道徳教材にも掲載されている。本書は、この「江戸しぐさ」のルーツは江戸時代ではなく1980年代以降であり、どのようにして生まれ広められたのか、またその背景には何があったのかを、偽りの歴史を教育現場で広めることの危機感を持って検証している。