制作者
ヴェルナー・ヘルツォーク
制作年
1992年
田中 友紀子
美術館・図書館
イメージライブラリー
湾岸戦争における油井への放火と破壊により焦土と化した死の世界を、流れるような空撮で写し出した作品です。空を反射する黒油の海、炎上する油井、遺棄された建造物。それらの風景は抽象化されるが故に超時代的であり、原始の地球を想起させると同時に文明が終焉した異星の風景の様でもあります。抗いがたい極限の風景の力と荒廃の美、そしてそれを写し出すヘルツォークの雄弁な映像を体感してください。
copyright(c)Peter Rose
制作者
ピーター・ローズ
制作年
1981年
狩野 志歩
美術館・図書館
イメージライブラリー
“見る事”について各章毎に形式を変えて考察する。「むかし、遠くがよく見えない男がいました…」と架空の言語で語られる序章、モネにオマージュを捧げた第一章では時間の推移と共に回転するパノラマ、第三章は皆既日食を観察する人々がマルチスクリーンで描かれる。緻密なスコアに基づくコンセプチュアルな作品でありながら叙情的な魅力に溢れているのは、作者の個人的な体験や想いが下敷きとなっている為。最終章のカメラ片手に金門橋の巨大なワイヤーを登るスリリングなシーンは圧巻。
copyright (c) Werner Nekes
制作者
ヴェルナー・ネケス
制作年
1985年
狩野 志歩
美術館・図書館
イメージライブラリー
映画発明の遥か昔より人間は「光」や「動く絵」に対する興味を抱いてきた。ドイツの映像作家で映画史研究家でもある作者は、映画前史に出現した光学装置や映像玩具の蒐集家であり、本作ではこれらのオブジェを自ら操りながら視覚表現の成り立ちを紐解いていく。古代の影絵から眼の残像効果を利用した動く絵の玩具、こんにちの3D映画に繋がる立体視装置まで、映画誕生の道程を追体験するように学べる。『映画の考古学』(C・W・ツェーラム著)を一緒に読むと更に理解が深まる。