制作者
黒木 和雄
制作年
1974年
木村 美佐子
美術館・図書館
イメージライブラリー
冒頭から、武士の魂である刀を女の手の内に置き忘れてしまう坂本竜馬像が可笑しい。晩年は“鉄道好きのおじいちゃん”としての露出が多かった原田芳雄が、圧倒的な存在感でむさ苦しく人間臭い竜馬を熱演している。描かれるのは、製作当時の新左翼運動の内ゲバになぞらえた、坂本竜馬暗殺までの3日間。ザラついたモノクロームの映像によって、学生運動が終焉を迎えつつあった時代の殺伐とした空気が映し上げられる。
制作者
チェン・カイコー
制作年
1987年
木村 美佐子
美術館・図書館
イメージライブラリー
文革時代、毛沢東の政策によって地方の農村へと送られた知識青年たちは、都会の政治から引き剥がされ、無為な青春を送ることを余儀なくされた。この作品では国語教師として雲南省の山奥の中学校へと送られた青年と教え子たちの姿を通し、象徴に満ちた映像で文革の悲劇が語られる。また、この時代に推し進められた大規模な開墾は深刻な自然破壊をもたらすことになった。失意の果てに青年が山を下りる頃、野には火が放たれる。野焼きは文革理念のように美しいが、あとには生命の循環を断たれた自然の骸が残される。
制作者
ジョナス・メカス
制作年
1972年
久保田 桂子
美術館・図書館
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大戦中にナチスから逃れて故国リトアニアからアメリカへ亡命した詩人のジョナス・メカス。彼は言葉も通じない異国の街角で一台のボレックスカメラを手にすると、日々の生活の中で心動かされるものを日記のように撮り続けた。ブルックリンの街角、27年後に再訪した故郷の村セミニシュケイでの日々、戦時中強制収容所で一年間を過ごしたハンブルクと友人の住むウィーンの街。光溢れる故郷の映像の中に、メカスは記憶の中にだけ存在する場所を見つめている。